南極高原

南極高原

南極高原、またの名を南極台地（Antarctic Plateau）は、南極大陸の東南極に位置する広大な高原です。直径は1,000 kmを超え、南極点や南磁極を含むこの地域の平均標高は約3,000 mです。最高地点はドームAにあり、その標高は4,093 mに達します。この高原は、別名「Polar Plateau（極地高原）」や「Haakon VII Plateau（ホーコン7世高原）」とも呼ばれており、ほぼ全域が広がるのは東南極氷床です。

探検の歴史

南極高原は、1903年にイギリスによるディスカバリー遠征で発見されました。この遠征には著名な探検家ロバート・スコットも参加していました。1909年にはアーネスト・シャクルトンがニムロド遠征で初めて高原を横断し、南極点には到達できなかったものの、当時の高緯度到達記録となる南緯88度23分に達しました。この地点は南極点から約180 km離れており、北極でもこの緯度に達していない状況でした。シャクルトンはこの高原にエドワード7世の名を付けました。

その後、1911年12月にはロアール・アムンセンが南極点遠征から帰還した際、高原にホーコン7世の名が付けられました。1929年には、航空機フォード トライモータによる高原上空からの偵察と写真撮影が行われ、探検活動はさらに進展していきました。

自然環境

南極高原はその高地と厳しい気候条件から、世界で最も気温が低く、冬の間は長期間日が昇らないことが特徴です。この厳しい環境は、微生物を含め生物が生息するのが困難な状況を生み出しています。高原には微生物が存在するものの、その数は非常に限られています（103 cfu/ml）。生息する微生物には、バクテロイデス門、シアノバクテリア、そして海洋で一般的に見られるアルファプロテオバクテリア綱などがあります。これらの微生物は、堆積した浮遊粒子として存在するだけでなく、高圧で凍りついた高原の氷床生態系の重要な要素とも考えられています。

高原にはペンギンをはじめとする鳥類は生息しておらず、訪れることもありません。陸上動物は基本的に存在せず、線形動物やトビムシ目、小型のクモなどの節足動物、人間によって持ち込まれた研究用動物のみが見られる状況です。

南極高原は、極限の自然環境の中での生態系と探検の歴史が交錯する神秘的な地域です。これからもさまざまな研究が行われ、人類にとって貴重な知見が得られることでしょう。

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