南武鉄道1001形電気機関車

南武鉄道1001形電気機関車

南武鉄道1001形電気機関車は、1928年（昭和3年）から1929年（昭和4年）にかけて南武鉄道（現在のJR東日本南武線）が新製した直流用電気機関車です。全4両が日立製作所で製造されました。

概要

本形式は、鉄道省のED15形電気機関車の設計を踏襲した50t級の箱形車体を持っています。同時期に日立製作所で製造された富士身延鉄道210形などと共通する特徴が見られます。しかし、主電動機の定格出力など一部仕様は異なります。車体は、前後にデッキを持たない純然たる箱形で、乗務員扉は前後妻面の中央部と左右側面に設けられています。前後妻面には、屋根上機器点検用の梯子が設置されているのが外観上の特徴です。集電装置は菱形パンタグラフを採用しており、1両あたり2基搭載していますが、搭載位置は台車心皿位置に合わせて車端部より若干奥まっています。

導入後の変遷

本形式は、南武鉄道線内だけでなく、青梅電気鉄道（現・JR青梅線）や小田急電鉄にも乗り入れていました。これは、南武鉄道の宿河原駅から分岐して小田急電鉄の稲田登戸駅に至る連絡線を経由したものです。
1944年（昭和19年）に南武鉄道が戦時買収・国有化された際、本形式も国鉄籍に編入されました。しかし、買収後も形式番号はそのままに、西国立機関区（後の立川機関区）に配置され、南武線や青梅線で貨物列車の牽引に使用されました。

1952年（昭和27年）には、国鉄形式が付与され、ED34形ED34 1 - ED34 4と改番されました。さらに1961年（昭和31年）には、ED27形（2代）ED27 11 - ED27 14と再び改番されています。その後、車体の改装が実施され、側面通風器の形状変更や側面の乗務員室扉の埋め込みなどの改造が行われました。

1968年（昭和43年）にED27 11・ED27 12が、1971年（昭和46年）にED27 13・ED27 14がそれぞれ廃車となり、国鉄における本形式は形式消滅しました。このうちED27 12は、1969年（昭和44年）に岳南鉄道に譲渡され、ED27 1と改番されて使用されましたが、自重が過大であったため、1971年（昭和46年）に廃車となりました。

廃車となった各車両は、すべて解体処分され、南武鉄道1001形として製造された車両は現存していません。

関連項目

ED15形電気機関車
ED27形電気機関車
南武鉄道
青梅電気鉄道
小田急電鉄
岳南鉄道

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