南洞線

南洞線について

南洞線（ナムドンせん）は、朝鮮民主主義人民共和国の南浦特別市にある平南温泉駅と、平安南道の粛川郡に位置する南洞駅を結ぶ鉄道路線です。この路線は西朝鮮湾沿いを走り、特に二鴨から楽生の区間では沿岸に設けられた貯水池と海を分ける堤防の上を走る特異な景観を有していました。南洞線の運行開始時期は1995年頃とされますが、その廃止時期は明確な記録が残っておらず、2000年代に廃止されたのではないかと考えられています。

建設の背景

この路線は、北朝鮮最大の炭鉱地帯である安州炭鉱で採掘された石炭を南浦火力発電所に運ぶために、また西朝鮮湾沿いの干拓地に資材を供給することを目的として設けられました。1989年11月10日には「最近」着工式が行われ、その後の1995年中には開通したとの情報があります。しかし、具体的な開通日や運行開始についての詳細は記録されていないため、正確な情報は不明です。

路線の特徴

南洞線は約80kmにわたる区間を持ち、11の駅が設置されていましたが、ほとんどは利用されていない状態にあったと考えられます。軌間は1435mmで、電化や複線化はされていなかったため、運行は単純な構造であったと言えるでしょう。駅名は沿線の地名から取られたもので、長い距離にわたって両端から利用できる駅が点在している様子が伝わります。

運行と廃止の経緯

南洞線は、2002年に発行された路線図には名前が掲載されていましたが、2019年の調査結果によるとその後の路線図には記載がなく、廃止された可能性が高いと考えられています。路線の使用状況や運行リズムについての詳細なデータは乏しく、地元の人々からもあまり記憶に新しい情報は存在しないようです。

参考文献

南洞線の詳細については、国分隼人氏の著書『将軍様の鉄道 北朝鮮鉄道事情』に詳しく記載されており、鉄道に関する貴重なデータが提供されています。刊行年は2007年で、ISBNは9784103037316です。この資料は、北朝鮮の鉄道路線に関する貴重な情報源として利用されています。

関連項目

• - 朝鮮民主主義人民共和国の鉄道

今後も、北朝鮮の鉄道事情に関する理解を深めるために情報収集を続けていくことが重要であり、廃止された南洞線のような路線の情報は、歴史的価値があると考えられます。

もう一度検索