南海泉北線

南海電気鉄道 泉北線

泉北線は、大阪府堺市北区の中百舌鳥駅から大阪府和泉市の和泉中央駅を結ぶ、南海電気鉄道の鉄道路線です。かつては泉北高速鉄道が運営していましたが、2025年4月1日に南海電気鉄道に吸収合併され、路線名が変更されました。駅ナンバリングは「NK」が使用されています。

概要

泉北線は、高野線と接続し、多くの列車が高野線と直通運転を行っています。沿線には堺市中区、泉北ニュータウン、トリヴェール和泉などがあり、これらの地域から大阪市中心部への通勤・通学路線として重要な役割を果たしています。

元々、この路線は南海電気鉄道が建設・運営を検討していましたが、1960年代後半から1970年代にかけての事故多発と負債のため、計画は頓挫しました。その後、大阪府が設立した第三セクターである大阪府都市開発株式会社（後の泉北高速鉄道株式会社）が経営を引き継ぎました。2014年には南海電気鉄道が泉北高速鉄道の株式を取得し、南海グループの一員となりました。

2006年からはPiTaPaとICOCAが全線で利用可能になり、2013年からは全国のIC乗車カードも利用できるようになりました。2022年からはVISAのタッチ決済にも対応しています。

路線データ

路線距離：14.3km
軌間：1067mm
駅数：6駅
複線区間：全線
電化区間：全線（直流1500V）
閉塞方式：自動閉塞式
最高速度：110km/h

沿線概況

路線の多くが高架構造で、線路の両側には道路が並行しています。踏切は中百舌鳥駅東側の中百舌鳥トンネル手前の一箇所のみです。

中百舌鳥駅を出ると、高野線と並走し、信濃池付近から地下トンネルに入り、白鷺公園の地下を通過して再び地上へ出ます。その後、深井駅の手前までほぼ直線で進みます。深井駅を過ぎると、泉北1号線（府道堺狭山線）が並走し、阪和自動車道をくぐると田園風景が広がります。

陶器川を渡るところには、かつて楢葉駅の設置構想がありましたが、乱開発の懸念から見送られました。田園変電所を過ぎると丘陵部に入り、泉北ニュータウンを横断します。ニュータウン地区では、掘割や高架を走行し、泉ケ丘駅、栂・美木多駅、光明池駅を経て、終点の和泉中央駅に到着します。和泉中央駅は半地下構造で、駅前広場の下を阪和自動車道が通っています。

運行形態

中百舌鳥駅 - 和泉中央駅間の各駅停車のほか、特急「泉北ライナー」、区間急行、準急行が高野線に乗り入れ、難波駅まで直通運転しています。

特急「泉北ライナー」：和泉中央駅 - 難波駅間を結ぶ有料特急で、泉ケ丘駅、天下茶屋駅、新今宮駅に停車します。
区間急行：和泉中央駅 - 深井駅間の各駅と、堺東駅、天下茶屋駅、新今宮駅、難波駅に停車します。
準急行：泉北線内の各駅と、高野線の百舌鳥八幡駅、三国ヶ丘駅、堺東駅、天下茶屋駅、新今宮駅、難波駅に停車します。
* 各駅停車：中百舌鳥駅 - 和泉中央駅（一部光明池駅）間を折り返し運転します。

使用車両

高野線所属の車両が使用され、特急用車両としては11000系が、通勤用車両としては9300系、8300系、8000系、7020系などが使用されています。

過去には、泉北高速鉄道100系や、南海電気鉄道の50000系（ラピート）などが運行していました。

歴史

泉北高速鉄道線は、泉北ニュータウンと大阪都心を結ぶために計画され、1971年に中百舌鳥 - 泉ケ丘間が開業しました。その後、1977年に光明池駅まで、1995年には和泉中央駅まで延伸し、全線が開通しました。

2025年4月1日には南海電気鉄道に吸収合併され、南海電気鉄道泉北線となりました。

延伸の可能性

過去には日根野駅方面などへの延伸構想もありましたが、実現には至っていません。和泉中央駅の先には延伸可能な用地が確保されています。

駅一覧

運賃・料金

泉北線内の運賃は、距離に応じて設定されています。和泉中央駅発着の場合は加算運賃が適用されます。特急「泉北ライナー」を利用する場合は、別途特急料金が必要です。

脚注

詳細は、各脚注・出典をご参照ください。

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