光明池

光明池（こうみょういけ）

光明池は大阪府に広がる重要なため池で、和泉市と堺市南区にまたがっています。この池は1936年に灌漑用とするために整備され、貯水量は約370万立方メートルで府下最大の貯水能力を誇ります。また、満水面積は約36ヘクタールで、岸和田市の久米田池や大阪狭山市の狭山池に次ぐ広さを持ちます。光明池土地改良区が管理を行っており、地域の農業活動に貢献しています。

特徴

光明池には2つの堤防があります。北側に位置する本堤防は、高さ26メートル、長さ350メートルの大きさを持ち、一方、南西側の副堤防は高さ18メートル、長さ130メートルとなっています。最深部では水深が約20メートルにもなり、池の周辺地域ではかつて1,700ヘクタール以上の土地に灌漑を行っていましたが、現在は減反政策の影響でその面積は約300ヘクタールにまで減少しています。また、光明池は上水道の水源としても利用されています。

周囲は「光明池緑地」として整備され、遊歩道や体育館、屋外運動施設などが充実しています。この緑地は近隣住民の間で「野鳥の森」と呼ばれることもあり、多くの野鳥が観察できる場所となっています。特に1989年には「大阪みどりの百選」に選定され、その美しさが認められました。

池の南側を囲むように整備された遊歩道は、多くの住民に愛されており、散歩やジョギングなどに利用されています。しかし、この2つの遊歩道は直接繋がっていないため、池全体を周回することはできません。また、光明池大橋が架けられており、池によって分断された光明台地区を結ぶ重要な通行路となっています。

名称の由来

光明池の名称は、和泉市国分町に流れる槇尾川からの導水に由来しています。この国分町には、光明皇后が生まれたとされる浄福寺が存在し、そこから光明池と名付けられました。なお、光明皇后の夫である聖武天皇や異父兄の橘諸兄は、久米田池の築造にも深く関与していたことが知られています。

歴史

光明池の建設は1928年に始まりました。大正および昭和初期にかけて泉州地域で旱魃が生じた際、農業用の灌漑用溜池としての必要性が高まり、計画が立てられました。その後、大阪府知事によって泉北耕地整理組合が設立され、1931年に大阪府営事業としての建設が認可されました。
光明池は1936年に完成。その後、1977年から1985年にかけて本堤防の改修が行われ、1989年には大阪みどりの百選に選ばれるなど、地域の重要なスポットとしての地位を確立していきました。2009年には大阪ミュージアムにも登録されました。

光明池大橋は1985年に建設された歩行者・自転車専用の橋で、157.6メートルの長さを持ち、98メートルの支間長を誇るアーチ橋です。この橋はコンクリート中路アーチ橋構造を採用しており、その独自の設計は世界的にも類を見ないもので、1985年の土木学会田中賞を受賞しました。しかし、2020年からは自転車やバイクの通行が禁止されています。

光明池は地域の水資源としての機能だけでなく、自然豊かな環境を提供することで、多くの住民に親しまれ続けています。

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