南海鋼索線

鋼索線（高野山ケーブル）

和歌山県伊都郡高野町に位置する南海高野線の鋼索線は、終点の極楽橋駅から霊峰高野山の玄関口、高野山駅までを結ぶ重要なケーブルカー路線です。この路線は通称「高野山ケーブル」として知られ、南海高野線の橋本駅から極楽橋駅を経由する「こうや花鉄道」ともリンクしています。

概要

鋼索線は、2両連結の車両が最大568.2‰という急勾配を行き来します。このケーブルカーは、2019年3月1日から新たに導入された4代目の車両、N系列で運行されています。極楽橋駅では高野線の列車に接続し、高野山駅では金剛峯寺など高野町の中心地と結ぶ南海りんかんバスとも連携しています。

南海電気鉄道は、2006年7月からPiTaPaを導入し、IC乗車カードが使える国内初の鋼索鉄道となりました。これにより、ケーブルカーの利用がより便利になっています。全長0.8kmのこの路線は単線2両の交走式で、駅数は起終点駅を含めた2駅、運行形態は高野線の列車と同期しているため、発着時刻が不均等になることがありますが、一般的には10分から40分間隔で運行されています。

運行と料金

所要時間は約5分です。また、通常便のほかに、乗客があふれた場合には臨時便が運行されます。高野山駅発極楽橋駅行きの便については、極楽橋駅での接続列車が無ければ客扱いを行わないシステムですが、この点に関して運行本数に差が出ることがあります。運賃は片道500円で子供は半額となり、南海電鉄の他の鉄道線と連携して利用する際は、運賃が加算されます。ただし、乗り継ぎ割引は適用されません。

また、駅の発車時と進入時に警笛を鳴らし、発車直後には高野山の観光案内をBGMに乗せて自動放送します。これには多言語対応も施されており、英語やフランス語でも放送されます。

歴史

この路線は、1924年に高野登山鋼索鉄道として鉄道免許を取得し、1925年には高野山電気鉄道に社名変更しました。1930年に路線が開業し、以降の歴史の中で、1947年に南海電気鉄道鋼索線に改称され、1953年からはアルミ合金製の車両へと置き換えが進みました。1964年には3代目の車両が導入され、1977年にはお召し列車が運行されるなど、様々な出来事がありました。

その後、2018年には新車両の導入及び設備の更新が行われて運休し、2019年に運行が再開されました。今では、観光客にとっても大変利用価値の高い路線となり、高野山の美しい景観を楽しむ手段として親しまれています。

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