南海22000系電車

南海22000系電車について

南海22000系電車は、南海電気鉄道に所属する通勤型の一般車両であり、愛称として「ズームカー」とも呼ばれています。この電車は、通勤輸送の効率化を目指して1969年に導入され、その後も様々な改造を受けてきました。特筆すべきは、この系統の電車が改造された2200系電車にその名を変更し、引き続き運用されている点です。

概要

22000系の導入は、1958年から1964年にかけて高野線で運行されていた21001系電車の後継としてでした。当時は急行電車の需要が増加しており、その対応として増結用車両が必要とされていました。特に河内長野駅以北では、急行の車両が混雑したため、1969年から22000系が増備されました。これにより合計32両、16本の2両編成が製造され、その形式はモハ22001形です。編成は奇数車と偶数車から構成されています。

車両構造

この電車の車体は普通鋼製で、乗客用のドアは両開きのものが設けられています。また、側窓は一枚の下降式が使用されています。前面デザインは21001系の非貫通型と異なり、貫通型を採用しています。全席がロングシートとなっており、乗客の快適性が考慮されています。

電動機の制御方式は抵抗制御で、21001系と同性能を保ちながら、架線電圧に適応するために複電圧仕様に改良されています。台車は住友金属製のFS-17型が使用されています。

製造年と改造

初めに製造されたのは1969年の1次車で、続いて1970年には2次車が、1972年には3次車が製造されました。これらの車両は、急行輸送の効率を高めるための設計がされています。特に2次車は、さらに冷房装置の設置準備工事がされるなど、時代のニーズに応じた改良が加えられています。

1994年からの更新工事により、22000系は車号が整理されると共に2200系に改番されました。この改造には高野線用、支線用、貴志川線用の各車両が含まれ、客室の内装が大幅に変更されています。

観光列車「天空」の導入

22000系電車の一部は、観光列車「天空」として再改造され、華やかなデザインが施されました。2009年に運行が開始された「天空」は、高野線の山岳区間を走行し、多くの観光客に親しまれています。この改造車両は、特に観光地へのアクセスを便利にし、地域振興にも寄与しています。

現在の運用

22000系は、かつての急行運送の需要が減少しつつある中でも、支線や様々な特急運行に活用されています。また、譲渡された車両も存在し、熊本電気鉄道や和歌山電鐵にて他形式の車両として再活用されています。

2025年には、2200系の2本が引退される予定ですが、その際には「あのズームカー」を思い出させる復刻塗装が施され、ファンの間でも注目の的となっています。時代と共に姿を変えながらも、22000系電車は地域交通に貢献し続けているのです。

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