南海7100系電車

南海7100系電車

南海7100系電車は、南海電気鉄道が1969年から運行を開始した電車で、主に南海本線で利用されている。7100系は、前の7000系のマイナーチェンジ版であり、戦前から戦後まもなくに製造された600V専用の車両を置き換えるために設計された。特に目を引く点は、架線電圧が1500Vに昇圧された際の対応である。

特徴と設計

7100系の設計上の大きな変更点は、乗降時の利便性を高めるために客用ドアを両開きにしたことだ。また、客室側の窓は、一段下降式に変更され、乗客が窓を開けやすくなっている。これにより、計画時のユーザビリティを向上させた。台車に関しても改良が施されており、S形ミンデン台車を採用した。

製造と運行

1969年から1973年の間に、近畿車輛と東急車輛製造によって合計152両が製造されており、これは南海の車両史上最多の台数を誇る。2015年に7000系が引退した後、南海本線や空港線などで7100系は現在も走行し、特急「サザン」の自由席として利用されることも多くなっている。さらに、7100系と同様に高野線に導入された6100系（のちの6300系）も7100系を基にしたモデルである。

車両の改造

7100系は定期的に改造を受けており、特に1979年から1982年にかけて冷房装置が搭載され、車両の快適性が向上した。また、1989年から始まった更新工事では、外板の張り替え、新しい表示器の設置が行われた。2000年以降にはワンマン運転に対応するための改造も行われ、自動放送装置なども設置されている。最近では、2023年に一部編成がLED化された標識灯の装備を受けるようになった。

観光列車の導入

7100系の一編成（7187F）は「めでたいでんしゃ」として観光列車にリニューアルされ、加太沿線の魅力を発信する役割を担っている。この列車は、デザインに海の幸である鯛をモチーフにし、内装や外装に工夫が施されている。2016年からの運行開始以来、特に観光客から人気を集めている。2017年には第二編成も登場し、愛称が一般公募で決定された。

運用状況

7100系は、南海本線及び空港線において、空港特急「ラピート」を除く様々な列車種別の運行に就くことが可能だ。特に2005年以降のダイヤ改正では、6両編成での急行や特急運行に用いられることが増えている。ワンマン運転に対応した編成も存在し、地域の各支線での運用にあたっている。

廃車と将来

7100系は、製造から50年が経過し、徐々に老朽化が目立ち始めているが、今も多くの編成が現役であり、近年は8300系による置き換えも進んでいる。2024年現在では、なお多くの7100系が主力として活躍している。今後も、南海電鉄の重要な一翼として、その存在が続くことが期待されている。

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