南県 (ハイチ)

ハイチ南西部の県：南県

南県（みなみけん、フランス語: Sud, ハイチ語: Sid）は、カリブ海の島国ハイチ南西部に位置する県です。県都はレカイ（ハイチ語名オカイ）であり、カリブ海の美しい海岸線と、沖合に浮かぶヴァシュ島が特徴的な地域です。

歴史と文化

南県の歴史は古く、フランスのサン＝ドマング植民地時代にまで遡ります。現在、グランダンス県とニップ県として独立している地域も、かつては南県の一部でした。これらの県は1962年に南県から分離されました。そのため、南県はハイチの歴史において重要な役割を担ってきたと言えるでしょう。伝統的に、この地域は他のハイチの地域に比べて、ムラートの人口が多いという特徴があります。

地理と自然

南県の面積は約2,653.60平方キロメートルで、カリブ海に面した海岸線は、観光資源としても魅力的です。沖合にはヴァシュ島があり、美しい景観を形成しています。

人口

2015年の推計人口は約774,976人、2002年の国勢調査では約627,311人でした。人口増加率は、ハイチ全体の状況を反映していると考えられます。

2021年ハイチ地震

2021年8月14日に発生したハイチ地震は、南県にも甚大な被害をもたらしました。震源に近かったことから、県都レカイを中心に多くの建物が倒壊し、多数の犠牲者が出ました。住宅約1500棟以上が完全に倒壊したと報告されており、地震の爪痕は現在も残っていると言われています。この地震は、南県の経済や社会生活に大きな影響を与えました。

行政区画

南県は、5つの郡（arrondissement）と19のコミューン（commune）から構成されています。郡とコミューンは、ハイチ語の名称が公式に使用されています。これらの行政区画は、県全体の行政運営を支える重要な役割を果たしています。

隣接県

南県は、北にグランダンス県とニップ県、東に南東県と隣接しています。これらの県との関係は、行政や経済、文化など様々な面で密接に繋がっています。

まとめ

南県は、ハイチの歴史、文化、自然が凝縮された地域です。美しいカリブ海の海岸線とヴァシュ島、そして豊かな歴史と文化、そして2021年の地震による苦難を乗り越えようとする人々の姿は、この地域の魅力と同時に、課題も示しています。今後、南県がどのように発展していくのか、注目していく必要があるでしょう。

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