南辰巳町

南辰巳町 (みなみたつみちょう) について

南辰巳町は、かつて愛知県名古屋市中区に存在した地名です。この町名は、名古屋城から見て辰巳の方角、すなわち南東に位置することから名付けられました。この地名が示すように、この地域は名古屋の歴史と深く関わっていました。

歴史

町名の由来

南辰巳町の名前は、その位置関係に由来します。まず、「辰巳町」という地名が、名古屋城から見て南東の方角（辰巳の方角）に位置していたことに由来します。そして、南辰巳町は、その辰巳町の南側に位置していたため、この名前が付けられました。

沿革

南辰巳町は、1878年（明治11年）12月28日に、以下の複数の小路が合併して誕生しました。

藪小路
原組小路
京組小路
東組小路
蛤横町
西組小路

これらの小路が統合され、名古屋区南辰巳町として新たな歴史を歩み始めました。

その後、1889年（明治22年）10月1日には、名古屋市の成立に伴い、名古屋市南辰巳町となりました。これにより、南辰巳町は行政区画の一部として、より明確に位置づけられるようになりました。

1907年（明治40年）7月15日には、町域の一部が新栄町に編入されました。これは、都市計画の進展に伴う区画整理の一環と考えられます。

1908年（明治41年）4月1日には、中区の成立に伴い、南辰巳町は同区に属することになりました。これにより、南辰巳町は中区の一部として、行政上の位置を新たにしました。

1944年（昭和19年）2月11日には、栄区が成立したことに伴い、南辰巳町も栄区に属するようになりました。この時期は、戦時中の行政区画の変更が頻繁に行われた時期でした。

しかし、1945年（昭和20年）11月3日には、栄区が廃止されたため、南辰巳町は再び中区に戻りました。この時期は、戦後の混乱期であり、行政区画も安定しない状況でした。

そして、1977年（昭和52年）10月23日、南辰巳町は新栄二丁目と新栄三丁目にそれぞれ編入され、その歴史に幕を閉じました。これにより、南辰巳町という地名は、地図上から姿を消しました。

まとめ

南辰巳町は、その成立から消滅まで、名古屋市の変遷を映し出す鏡のような存在でした。1878年の誕生から1977年の消滅まで、様々な行政区画の変更を経験し、その歴史は名古屋市の都市発展の歴史と深く結びついています。この町名が消滅した今でも、その歴史は、名古屋市の歴史の一部として、語り継がれるべきでしょう。

参考資料

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。ISBN 4-04-001230-5。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。

関連項目

* 名古屋市の地名

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