南部戦線 (ソ連軍)

南部戦線について

南部戦線は、第二次世界大戦中にソ連が南西部に設置した赤軍の重要な方面軍であり、特に独ソ戦の初期と中期に二度にわたって活動しました。

初回の南部戦線（1941年6月～1942年7月）

最初の南部戦線は1941年6月25日に編成されました。この戦線は、南西方面において第18軍、第9軍、第9独立狙撃軍団から成り、その指揮機関はモスクワ軍管区本部から構成されました。のちに、第6軍、第12軍、第24軍、第37軍、第51軍、第56軍、第57軍、沿海軍、第4航空軍が部隊として配属されました。

南部戦線は、独ソ戦の初期においてドイツ南方軍集団の進攻を迎え撃ちました。戦線は、7月末までにドニエストル川対岸へ、8月末には沿海軍をオデッサ防衛に残しつつドニエプル川の対岸へ撤退しました。9月末から11月初めにかけては、南西戦線の部隊と協力し、ドンバス作戦を展開し、ロストフ・ナ・ドヌに侵入したドイツ軍をミウス川の対岸へ押し戻しました。

1942年1月には、南西戦線部隊と連携し、バルヴェンコヴォ・ロゾフ作戦を実施し、西へ100km進出しました。5月にはハリコフの戦いに参戦し、7月にはドンバスでの戦闘が続きました。しかし、同年夏には敵の優勢な攻撃によりドンバスおよびロストフを失い、南へドン川の対岸まで退きました。

最終的に1942年7月28日、最高司令部スタフカの指令により南部戦線は解散され、その構成部隊は北カフカース戦線に統合されました。

編制

• - 第18軍
• - 第9軍
• - 第9独立狙撃軍団
• - 第6軍
• - 第12軍
• - 第24軍
• - 第37軍
• - 第51軍
• - 第56軍
• - 第57軍
• - 沿海軍
• - 第4航空軍

二回目の南部戦線（1943年1月～10月）

1943年1月1日に再編成された南部戦線は、廃止されたスターリングラード戦線を基盤として創設されました。戦線の構成には第2親衛軍、第28軍、第51軍、第8航空軍が含まれ、後に第3親衛軍と第44軍が加わりました。また、アゾフ小艦隊も作戦統制下に加入しました。

1943年の冬季攻勢では、南部戦線の部隊がロストフ作戦を実施し、300～500km前進してロストフを占領し、ミウス川に進出しました。その後、南西戦線と協力してドンバスでの戦略的作戦に参加し、メリトポリ作戦でドンバスを解放。モロチナヤ川での敵の防衛線を突破し、ドニエプル河口およびクリミア地峡に進出しました。

1943年10月20日、南部戦線は最高司令部スタフカの命令を受けて第4ウクライナ戦線に改称されました。

編制

• - 第2親衛軍
• - 第28軍
• - 第51軍
• - 第8航空軍
• - 第3親衛軍
• - 第44軍

指揮官

最初の南部戦線（1941年6月～1942年7月）

• - イワン・チュレネフ上級大将（1941年6月～8月）
• - ドミトリー・リャブィシェフ中将（1941年8月～10月）
• - ヤーコフ・チェレヴィチェンコ大将（1941年10月～12月）
• - ロディオン・マリノフスキー中将（1941年12月～1942年7月）

二回目の南部戦線（1943年1月～10月）

• - アンドレイ・エリョーメンコ大将（1943年1月～2月）
• - ロディオン・マリノフスキー中将（1943年2月～3月）
• - フョードル・トルブーヒン中将（1943年3月～10月）

南部戦線は、戦争の大きな転換期にある重要な戦闘を経て、ソ連軍の戦力として果たした役割を持ち続けました。

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