フョードル・トルブーヒン

フョードル・イヴァーノヴィチ・トルブーヒン

フョードル・イヴァーノヴィチ・トルブーヒン（Фёдор Ива́нович Толбу́хин）は、1894年6月4日にヤロスラフ県アンドロニキ村で誕生したソ連の軍人であり、後にソ連邦元帥に昇進された。彼は1949年10月17日に亡くなるまで、その軍事的な才能を発揮し続けた。死後にはソ連邦英雄の称号を贈られている。

初期の経歴

トルブーヒンは農家の家庭に生まれ、1912年にはペテルブルク商業学校を卒業し、商業分野での職に就いていた。ところが、第一次世界大戦が勃発すると彼は1914年にロシア帝国軍に志願し、戦場での経験を積むことになる。1915年には准尉学校を卒業後、南西戦線で指揮官として活動し、その能力が認められて聖アンナ勲章や聖スタニスラフ勲章を受章。さらに、陸軍大尉に昇進した彼は、二月革命後には連隊委員会の議長に選出されるなど、急速にキャリアを築いていった。

赤軍への入隊

1918年、トルブーヒンは赤軍に参加し、1919年には参謀勤務学校を卒業。ロシア内戦中は北部および南部戦線で参謀職を担った。1921年にはクロンシュタットの反乱鎮圧に関与し、その後もカレリアでのフィンランド軍との戦闘に参加した。彼は高等指揮要員としての課程を経て、師団や軍団の参謀長を歴任し、1934年には狙撃師団長となる。

第二次世界大戦での活躍

第二次世界大戦が勃発すると、トルブーヒンは早くからザカフカーズ戦線、カフカーズ戦線、そしてクリミア戦線の参謀長を務めた。1942年にはスターリングラード軍管区の副司令官に就任し、その後第57軍及び第68軍の司令官として名を馳せた。1943年には南部戦線を指揮し、続いて第4ウクライナ戦線や第3ウクライナ戦線を担当するなど、多岐にわたる戦線で指揮を執った。彼の指導の下、スターリングラード戦やドンバスの戦い、ユーゴスラビア、ルーマニア、ハンガリーの解放に成功を収め、1944年にはソ連邦元帥に昇進した。

戦後の活動

戦争終結後、トルブーヒンは南部軍集団の総司令官を務め、1946年にはソ連最高会議の代議員として政治活動にも関与した。1947年にはザカフカーズ軍管区の司令官に任命されたが、1949年に糖尿病のためにこの世を去った。彼の遺体はクレムリンの壁に葬られ、後にはモスクワのサモチョーチナヤ広場に記念碑が建立された。

表彰

トルブーヒンはその軍事的な業績により、多くの勲章を受けており、ソ連邦英雄やブルガリア英雄の称号を得ている。また、勝利勲章、レーニン勲章2個、赤旗勲章2個、1等スヴォーロフ勲章2個、1等クトゥーゾフ勲章、赤星勲章など、多くの栄誉が彼を讃える形で授与された。彼の功績は、今なお軍事史の中で大きな位置を占めている。

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