南部暫定評議会

南部暫定評議会について

南部暫定評議会（南部評議会）は、イエメンの南部地域における分離独立派組織です。この組織は、イエメンからの独立を求める南部運動の一環として活動しており、評議会のメンバーには南部の複数の県知事や、政府の高官が含まれています。南部運動自体は、2007年に当時の大統領アリー・アブドッラー・サーレハの政権に対抗する形で創設されました。

組織の設立と歴史的背景

南部暫定評議会は、2017年5月11日に正式に設立されました。それに先立つ4月27日、アデン県の知事であるアイドルース・アッ＝ズバイディーが、大統領アブド・ラッボ・マンスール・ハーディーから知事職を解任される出来事がありました。この解任に対し、アデンでは大規模な抗議集会が行われ、期限位が名目とした南部の統治を直接抗議しました。

設立の翌日には、ハーディー大統領によって南部暫定評議会が非合法化されましたが、それでもSTCはアデンを中心に強い支持を維持しました。

南部暫定評議会の活動

2018年1月28日から、STCに忠実な勢力が再びアデンでハーディー政権に対して武力をもって反抗を始めました。この紛争は、イエメン国内の経済的利権、特に新たに発見された資源に関連した争いとも関連しています。STCはこの際、ハーディー政権の南部における統治を覆すとの意向を示し、アデンを占拠しました。

アラブ首長国連邦（UAE）は、南部暫定評議会の重要な支援者となり、指導者であるアッ＝ズバイディーに対し、資金や訓練を支援しました。この協力関係は、南部地域における安定化を狙ったものでした。

2019年には、南部暫定評議会がアデンを攻撃し、同月10日には大統領宮殿を占拠するなど、情勢は一層緊迫しました。その後、ハーディー政権との和解に向けた協定が結ばれるも、実行が進まず再び対立が顕在化しました。

2020年には、暫定政府との和平合意が破談したとして、南部を自ら統治すると宣言しましたが、その後の7月29日には和解のための努力を再開する旨の発表を行っています。

現状と政府構成

南部暫定評議会は、現在26人からなる大統領諮問委員会を持ち、その中にはさまざまな県の知事や政府関係者が含まれています。STCの大統領にはアイルー・アッ＝ズバイディー、さらに副大統領にはハーニー・ビン・ブレイクが就任しています。地域の知識人や活動家もこの委員会に名を連ねており、幅広い支持基盤を形成しています。

このように、南部暫定評議会は、イエメン内の複雑な政治状況の中で地域の統治を主張し、独立を目指す分離独立派の重要な存在となっています。彼らの活動や方針は、今後のイエメンの情勢に大きな影響を与えることでしょう。

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