南部町立万沢中学校

南部町立万沢中学校の概要と歴史

南部町立万沢中学校は、山梨県南巨摩郡南部町の万沢地区にかつて存在した公立の中学校です。1947年4月に、万沢村立として開校したこの学校は、戦後の教育体制を背景に地域の中核教育機関として役割を果たしてきました。しかし、2011年3月に富河中学校や南部中学校（旧校）と統合され、新設された南部中学校にその役目を譲り、64年の歴史を閉じました。

学校の設立と発展

万沢中学校は1947年、当初の場所は越渡地区にありましたが、1955年に万沢村が富河村と合併し、富沢町立の学校に移行しました。その後、2003年には南部町と富沢町が合併したことに伴い、南部町立万沢中学校へと名称が変更されました。

学校は設立以来、生徒数が減少していく中でも廃校の決定に時間がかかり、最終的には「現状維持」が選ばれていました。しかし、生徒数はさらに減少し、2011年にはついに閉校する運びとなりました。

地元の貢献と歴史的背景

万沢中学校の背景には、明治時代に佐野猪太郎翁が中心となって植林した公有林があり、これが学校の校舎建設や運営に貢献していたことが評価されていました。地域住民の努力によって成立した学校であり、地元への感謝の意を込めた「万沢中学校閉校記念碑」や「植林記念碑」が設けられています。

歴史的な出来事

万沢中学校の歴史の中で重要な出来事には、1949年の越渡校舎起工式、1954年の現在地への校舎竣工、1955年の合併による富沢町立への移行、そして1977年に体育館が竣工されたことがあります。さらに、2003年には南部町立に名称が変更され、その後も学校は地域の教育を支えてきました。最終的には、2011年3月31日に閉校を迎えることとなりましたが、その時期には地域資源を活用した新たな統合校開設が議論にも上りました。

閉校後の状況

閉校後、万沢中学校の施設は一時維持されましたが、2013年から校舎の解体作業が始まり、その跡地には南部町営の賃貸アパート「グリーンハイツ富士見」が建設されました。一方、体育館やプールは引き続き管理され、民間に対する貸し出しも行われています。また、閉校後も万沢地区に住む中学生たちは、睦合地区にある南部中学校へスクールバスで通学している状況です。

生徒数とアクセス

万沢中学校が最後に在校していた時期、2010年5月には生徒数が32名（男子16名、女子16名）という状況でした。アクセスについては、JR身延線の十島駅から徒歩20分、自動車では30分かかります。また、南部町営バスの「御屋敷」バス停からは徒歩3分で到着することができます。周囲には南部町立万沢小学校や顕本寺が立地し、地域に密着した教育環境が形成されています。

まとめ

南部町立万沢中学校は、その設立から閉校までの64年間、地域社会に深く根ざした教育機関として多くの生徒に学びの場を提供してきました。その歴史は地域住民の献身的な支えによるものであり、学校の閉校は地域にとって大きな出来事となりました。閉校後も地域の資源として活用されることで、万沢中学校の存在は地域に影響を与え続けることでしょう。

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