南陽府

南陽府について

南陽府（なんようふ）は、中国の歴史において、元代から民国初期にかけて存在した行政区画です。現在の河南省南陽市を中心とする地域に設置されていました。この府は、時代とともに所属する省や管轄する県、州が変化し、その歴史の中で重要な役割を果たしました。

元代の南陽府

1271年（至元8年）、元朝によって申州が南陽府に昇格したことで、南陽府の歴史が始まりました。この時の南陽府は、河南江北等処行中書省に属し、以下の地域を管轄していました。

直轄県: 南陽県、鎮平県
鄧州に属する県: 穣県、内郷県、新野県
唐州に属する県: 泌陽県
嵩州に属する県: 盧氏県
汝州に属する県: 梁県、魯山県、郟県
裕州に属する県: 方城県、葉県、舞陽県

この時代には、合計で5州13県を管轄していました。

明代の南陽府

明代に入ると、南陽府は河南省に属するようになりました。管轄地域は以下のように変化しました。

直轄県: 南陽県、鎮平県、唐県、泌陽県、桐柏県、南召県
鄧州に属する県: 内郷県、新野県、淅川県
裕州に属する県: 舞陽県、葉県

明代の南陽府は、合計で2州11県を管轄していました。

清代の南陽府

清代においても、南陽府は引き続き河南省に属していました。管轄地域は以下のように構成されていました。

直轄県: 南陽県、鎮平県、唐県、泌陽県、桐柏県、南召県、内郷県、新野県、舞陽県、葉県
* 州: 鄧州、裕州

この時代には、2州10県を管轄していました。この管轄体制は、明代からほぼ変わらないものの、より洗練された行政区画となっていたと考えられます。

南陽府の終焉

南陽府は、1913年に中華民国によって廃止されました。これにより、南陽府としての長い歴史に幕を閉じ、その地域は新たな行政区画へと再編されていきました。

まとめ

南陽府は、元代から民国初期にかけて、河南省南陽市一帯に存在した重要な行政区画でした。時代とともに管轄地域や所属する省が変化しましたが、常にその地域の中核としての役割を担っていました。その歴史は、中国の地方行政史を理解する上で重要な要素の一つと言えるでしょう。

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