新野県

新野県（しんやけん）

新野県は、中華人民共和国河南省南陽市に位置する県です。その歴史は古く、後漢を興した光武帝が一時身を隠した場所、そして後漢末期には曹操に敗れた劉備が一時的に身を寄せた地として知られています。

歴史

新野県の名は、『漢書』において南陽郡に属する県として登場します。前漢末の永始元年（紀元前16年）には、王莽が新都侯に封じられ、新野の都郷1,500戸を与えられました。新の時代には、光武帝が一時この地に逃れていたという記録が残っています。

『後漢書』地理志には、荊州南陽郡に属する県として記載されています。後漢末期には、独立勢力であった劉備が曹操に敗れ、荊州に割拠していた劉表を頼った際、その拠点として与えられたのがこの地でした。西晋期に義陽郡が設置されると、新野県も同郡に所属を移しました。

南陽市新野県として新たにスタートしたのは、中華民国統治時代の1947年のことです。

行政区画

新野県は、以下の街道、鎮、郷によって構成されています。

街道: 漢城街道、漢華街道
鎮: 王荘鎮、沙堰鎮、新甸鋪鎮、施庵鎮、歪子鎮、五星鎮、溧河鋪鎮、王集鎮
郷: 城郊郷、前高廟郷、樊集郷、上荘郷、上港郷

産業

新野県の産業は、農牧業が中心です。人口の大部分がこの産業に従事しています。河南省は全体的に降水量が少ないため、特に「南陽黄牛」というブランド牛を中心とした牧畜業や、綿花の栽培、そしてそれを利用した紡績産業が盛んです。その他には、小麦やトウモロコシ、落花生などの油脂が取れる産品も生産されています。近年では、無農薬農作物の生産にも力を入れています。

また、新野県は中国における猿まわし発祥の地としても知られており、中国で最も多くの猿まわし師が住む地域でもあります。

脚注

新野県

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