博徒道 襲名披露

『博徒道 襲名披露（ばくとどうしゅうめいひろう）』は、2004年7月にケイエスエスよりリリースされた、清水健太郎主演のオリジナルDVD作品です。

物語の背景
物語は昭和33年、東京・浅草の晩秋を舞台に幕を開けます。この地で博徒組織「雷神会花村一家」を率いてきた五代目総長、花村組組長（長門裕之）がこの世を去ったことから、組織内では深刻な跡目問題が持ち上がります。花村組は、古くから関東三大盆の一つとして知られる「浅草夜狐盆」を取り仕切ってきた名門であり、その跡目を巡る争いは組織の存続にも関わる重大事でした。

跡目争いと揺れる仁義
長年にわたり五代目に仕え、次期総長として最も有力視されていた人物の一人が、雷神会花村一家中井組組長の中井誠二郎（清水健太郎）でした。しかし、中井は自らが六代目を継ぐのではなく、かつて5年前の夜狐盆で敵対する須藤組から組織を守った功労者であり、自身とも兄弟盃を交わした仲である山川組組長の山川（山田辰夫）を強く推していました。

ところが、一家内の総意とされる決定により、小泉組貸元の小泉憲吉（武蔵拳）が六代目総長に襲名することが決まります。この結果に納得がいかない山川は、組織の決定に異議を唱え、反旗を翻すこととなります。これにより、かつて組織を守るために共闘した男たちの間に深い亀裂が生じます。

水面下で進行する陰謀
山川の行動の裏では、さらに不穏な動きが進行していました。実は、花村一家内の複数の組長や雷神会の貸元衆の一部が、かねてより敵対関係にあった風神会須藤一家と裏で手を結び、何らかの策略を巡らせていたのです。組織の内側と外側からの圧力が同時にかかる中、中井誠二郎は複雑な状況に立ち向かうことになります。

襲名盃、そして激化する抗争
昭和33年12月吉日、定められた日に六代目雷神会花村一家の代目継承盃の儀式が執り行われます。この儀式は単なる継承の証ではなく、それぞれの男たちが抱く意地、野望、そして裏切りが交錯する壮絶な抗争の幕開けを告げるものとなるのです。伝統と仁義、そして欲望がぶつかり合う世界で、男たちの激しい戦いが繰り広げられていきます。

主要キャスト
清水健太郎：雷神会花村一家中井組組長 中井誠二郎
山田辰夫：雷神会花村一家山川組組長 山川
武蔵拳：雷神会花村一家小泉組組長(貸元) 小泉憲吉 → 六代目総長
長門裕之：雷神会花村一家五代目総長 花村組組長
鶴田さやか：おさきちゃん (山川組組長の妹)
やべきょうすけ：雷神会花村一家山川組組員 マサ
本宮泰風：風神会須藤一家本宮組幹部 キザキ → 代貸
岡崎二朗：関東桜会 玄海壮八

スタッフ
企画・原案・プロデューサー：川上泰弘
監督：桑原昌英
脚本：青池雄太、中田信一郎
撮影：山下弘之
* 音楽：野島健太郎

本作は、任侠の世界で生きる男たちの絆、裏切り、そして権力を巡る激しい争いを描いたVシネマ作品として、多くのファンに支持されています。

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