印順

印順（いんじゅん）

印順（1906年4月5日 - 2005年6月4日）は、中国出身の著名な僧侶であり、仏教学者です。俗名は張鹿芹（ちょうろくきん）といいました。彼は農家に生まれ、小学校の教員をしていましたが、1929年に父が亡くなった後に出家し、印順という法名を名乗りました。

生涯

印順は、太虚（たいきょ）が主導していた福建省廈門（アモイ）の南普陀寺（なんふだじ）にある閩南仏学院（びんなんぶっきょういん）で仏教を学びました。その後、彼は同学院で教鞭を執るまでになりました。

1943年には、湖北省武漢（ウーハン）の武昌仏学院（ぶしょうぶっきょういん）の教授に就任します。しかし、日本軍の攻撃が激化したため、四川省重慶（じゅうけい）の漢蔵教理院（かんぞうきょうりいん）に移りました。そこで、太虚の弟子であり、チベット留学経験を持つ法尊（ほうそん）と交流を深めました。

その後、四川省の法王仏学院（ほうおうぶっきょういん）の院長などを歴任し、戦火を避けるために香港を経て台湾へと移りました。台湾では、台北の慧日講堂（けいにちこうどう）を活動拠点とし、布教活動や講演活動を行うとともに、師である太虚の全集の編纂などを行いました。

1973年には、大正大学に学位論文『中国禅宗史』を提出し、文学博士（乙種）の学位を取得しました。彼の研究は、中国禅宗史における重要な貢献とされています。

1997年には、印順の教えを広めるために印順文教基金会が設立されました。この基金会は、仏教の研究と教育を支援する活動を行っています。

2005年、印順は花蓮（かれん）の慈済医院（じさいいいん）で99歳で遷化しました。

弟子

釈証厳（しゃくしょうげん）：慈済基金会（じさいききんかい）の創設者。

訳書

『中国禅宗史　禅思想の誕生』（伊吹敦訳、山喜房仏書林、1997年）

参考文献

西野翠「博士比丘印順の誕生と大正大学」（『佛教文化学会紀要』29号、2020年）

外部リンク

印順文教基金会>印順導師略伝

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