山喜房仏書林

山喜房仏書林

山喜房仏書林（さんきぼうぶっしょりん）は、東京都文京区本郷、東京大学の赤門前に店を構える仏教書専門の書店であり、出版社です。1928年の創業以来、仏教に関する書籍を専門に取り扱い、出版を続けています。

特徴

山喜房仏書林は、仏教研究における専門的な書籍の出版に力を入れています。博士学位請求論文の書籍化をはじめ、仏教思想、歴史、文化など、幅広い分野の研究書を刊行しており、学術的な貢献も大きいと言えるでしょう。一方で、仏教一般に関する書籍も出版しており、専門家だけでなく一般の読者にとっても仏教への理解を深めることができる出版物を提供しています。

主な刊行物

以下は、山喜房仏書林から刊行された主な書籍の一部です。

花山信勝『聖徳太子御製法華義疏の研究』(1933年): 帝国学士院恩賜賞を受賞した名著
水野弘元『パーリ語文法』(1955年): パーリ語学習の定番として知られる
前田惠學『原始佛教聖典の成立史研究』(1964年): 日本学士院恩賜賞を受賞
『椎尾弁匡選集』全10巻 (1972年-1973年)
『佐藤密雄博士古稀記念 仏教思想論叢』(1972年)
長井真琴『独習巴利語文法』(1977年)
『竹中博士頌寿記念 宗教文化の諸相』(1984年)
前田惠學編『現代スリランカ上座仏教』(1986年): 朝日新聞社朝日学術奨励金を受賞
『前田惠學頌寿記念 仏教文化学論集』(1991年)
『大久保良順先生傘寿記念論文集仏教文化の展開』(1994年)
福田亮成編『空海要語辞典』全3巻 (1998年-2008年)
『前田惠學集』全7巻・別巻1・2巻 (2003年-2007年)

これらの書籍は、仏教学の研究に重要な貢献をしており、今日でも多くの研究者や学生に利用されています。

沿革

山喜房仏書林は、1928年に青木正雄によって創立されました。青木正雄は、森江書店での修行を経て独立し、東京大学赤門前に店を構えました。以来、一貫して仏教書専門の書店・出版社として、その歴史を刻み続けています。創業者の精神を受け継ぎ、現在も仏教書の普及と研究に貢献しています。

所在地

東京都文京区本郷5-28-5

参考文献

中外日報社中山晴夫「仏教書店の移ろい」

関連項目

中山書房仏書林: 仏教書専門書店。初代店主の中山晴夫は山喜房で修業した。

外部リンク

* 山喜房佛書林

山喜房仏書林は、仏教研究者にとっては貴重な文献の宝庫であり、一般の読者にとっては仏教への理解を深めることができる場所です。今後も、仏教文化の発展に貢献していくことが期待されます。

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