危ない28号

危ない28号について

『危ない28号』（あぶない28ごう）は、1998年から1999年にデータハウスが刊行したアングラ雑誌です。この雑誌は、日本のコンピュータやインターネットがまだ発展途上であった時代に、前身である『危ない1号』の停刊を受けて創刊されました。編集長にはKuRaRe（現・くられ）が就任し、サブカルチャーやアングラなテーマに特化した刊行物として位置づけられました。

内容と特徴

本誌の内容は、ハッキング、兵器、ドラッグ、少女性愛、ピッキングなど、非合法な行為についての詳細なハウツーが記載されており、非常に危険な情報が満載でした。しかし、KuRaReは、実際に危険を伴う内容については黒塗りにする等の配慮を行い、そうした情報の実行を防ぐ努力をしていました。したがって、読者がそのまま実行することは難しい構成となっていました。

発売以前から有害図書に指定されるなど、各地の自治体からの反発が強かったため、全国で18都道府県が有害図書に指定しました。編集チームのメンバーであったKuRaReは公安警察に尾行されるなど、さまざまな問題に直面しました。また、対立勢力からは薬物製造の斡旋を持ちかけられるといった危険な状況にも置かれていました。

終焉

第5巻が発行された頃、流れは急変します。2000年1月に発生した一連の爆弾事件の犯人がこの雑誌を参照していたことが発覚し、それを受けて『危ない28号』は廃刊となりました。この事件は、雑誌の存続に大きな影響を与え、KuRaReもデータハウスを退職することとなりました。

編集陣と特徴

編集陣はKuRaReをはじめ、MaD、豆島ステ吉、マーマレード犬、南村孝三郎の5人から構成され、全員がデータハウスの社員でした。さらに、KuRaReが組織する秘密結社「薬裏凶室」（現在の薬理凶室）からもメンバーが参加していました。また、『危ない1号』で活動していた北のりゆきや村崎百郎も執筆を続けていました。

書籍情報

『危ない28号』は全5巻を出版しました。各巻は特集テーマが設けられ、次のような内容が網羅されています：

• - 第1巻「ハッキング」
• - 第2巻「兵器」
• - 第3巻「危険物」
• - 第4巻「報復の科学」
• - 第5巻「安楽死〜自殺〜」

すべての巻が絶版となり、現在は入手困難な状態です。

結論

『危ない28号』はその内容の特異性と危険性から多くの物議をかもしました。しかし、それによりアンダーグラウンド文化や社会における情報の流通についての問題を提起するきっかけにもなりました。アングラ文化の一端を記録したこの雑誌は、今なお関心を集める存在であり続けています。

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