卸売市場法

卸売市場法について

卸売市場法（おろしうりしじょうほう）は、卸売市場の設立および運営に関する規制を定めた日本の法律です。1971年4月3日に公布され、農林水産省が所管しています。この法律の主な目的は、生鮮食料品の適正な取引とその流通の円滑化を図り、国民生活の安定に寄与することです。

生鮮食料品の定義

この法律において「生鮮食料品」とは、野菜や果物、魚類、肉類など、消費者の日常生活で使用される食料品を指します。また、花きやその他の農畜水産物も含まれます。これらの品目は、法律で定められた範囲において、卸売市場で取引されています。

卸売市場の概要

卸売市場は、生鮮食料品を卸売するための特定の場所として、卸売場や駐車場などの関連施設を備えて運営されています。市場の運営はずっと開かれていることが特徴です。

法律の構成

卸売市場法は、以下のように19の条文で構成されています：

1. 第一章 総則（第一条・第二条）
2. 第二章 卸売市場に関する基本方針（第三条）
3. 第三章 中央卸売市場（第四条 - 第十二条）
4. 第四章 地方卸売市場（第十三条 - 第十五条）
5. 第五章 雑則（第十六条・第十七条）
6. 第六章 罰則（第十八条・第十九条）
7. 附則

中央卸売市場と地方卸売市場

中央卸売市場は、都市部やその周辺に所在し、生鮮食料品の流通において特に重要な役割を担う市場です。この市場は地方公共団体が農林水産大臣の認定を受けて開設されます。一方、地方卸売市場は都道府県によって設立され、その運営は各知事の認可が必要です。

市場の面積や取扱品により、青果物、水産物、肉類など、各市場の規模が設定されています。例えば、青果物の場合は卸売場の面積が330㎡以上、肉類は150㎡以上が必要です。

直近の改正内容

2018年6月15日、卸売市場法は改正され、中央卸売市場の運営に民間企業が参加できるようになりました。この改正は、取引上の制約を緩和し、競争や効率的な流通を促進することを目的としています。また、事業の拡大や農家の所得向上を目指すための制度も整えられました。

これまで制約されていた第三者販売や直荷引きの原則も、特定の条件下で緩和されることが可能になりましたが、受託拒否の禁止といった重要な規制は引き続き維持されます。

まとめ

卸売市場法は、日本の生鮮食料品の流通の健全な管理を講じるための非常に重要な法律です。市場の設立や運営に関する規定を明確にすることで、消費者が安心して利用できる環境の構築に寄与しています。今後も、この法律に基づく市場運営の状況に注目が集まります。

もう一度検索