厚真川

厚真川（あづまがわ）

厚真川は、北海道胆振総合振興局管内を流れ太平洋に注ぐ二級河川であり、厚真川水系の本流です。流域は厚真町の主要な地域を網羅し、地域の生活と産業に深く関わっています。

地理

厚真川の源流は、北海道胆振総合振興局勇払郡厚真町北部に位置する、空知総合振興局夕張市との境界にある標高640mの峰（夕張山地南部の丘陵地帯）にあります。源流から流れ出た水は、まず厚真ダムへと流れ込み、その後、厚真本町から上厚真を貫流します。そして、浜厚真の苫小牧東港区近辺で太平洋へと注ぎ込みます。

地名由来

厚真川という地名の由来には、いくつかの説があります。有力な説としては、アイヌ語の「アトマブ」（オヒョウ・在る・処）から転訛したというものがあります。また、地域の湿地帯に名付けられた「アットマム」（向こうの湿地帯）が転訛して「アトマム」「アトマ」となり、最終的に「アッマ」になったという説も存在します。これらの説は、厚真川流域の自然環境や歴史を反映していると考えられます。

治水および利水

厚真川流域は広大な穀倉地帯に囲まれており、稲作の灌漑に不可欠な河川です。流域での取水と排水は、農業生産に大きく貢献しています。しかし、その一方で、過去には度重なる河川氾濫が発生しており、治水対策が重要な課題となっています。そのため、蛇行区間の河道線形改修を前提とした大規模な河川改修工事が継続的に実施されています。

流域には、灌漑用水ダムである厚真ダムをはじめ、7ヶ所の可動堰である頭首工、3ヶ所の揚水機が設置されています。また、逆流防止を兼ねた排水ゲートである樋門・樋管は73ヶ所に及びます。これらの施設は、流域の治水と利水の両面を支える重要な役割を果たしています。さらに、厚真ダムの下流に位置する幌内地区では、多目的ダムである厚幌ダムが建設中です。このダムは、治水機能の強化に大きく貢献することが期待されています。

主な河川施設

厚真ダム
厚幌ダム（建設中）
頭首工：7ヶ所
揚水機：3ヶ所
樋門・樋管：73ヶ所

流域の自治体

北海道
胆振総合振興局
勇払郡厚真町

支流

ショウシウシ川（厚真町）
鬼岸辺川（厚真町）
日高幌内川（厚真町）
ウクル川（厚真町）
知決辺川（厚真町）
当麻内川（厚真町）
軽舞川（厚真町）

主な橋梁

祭橋 - 炭鉱厚真川林道
田舎橋 - 炭鉱厚真川林道
コブシ橋
幌内橋 - 北海道道235号上幌内早来停車場線
富里大橋
常盤橋
厚真新橋 - 北海道道59号平取厚真線
厚真大橋 - 北海道道10号千歳鵡川線
美里橋 - 人道橋
豊川橋 - 北海道道482号豊川遠浅停車場線
共栄橋
上厚真大橋 - 北海道道259号上厚真苫小牧線
厚真川橋 - 日高自動車道
浜厚真橋 - 国道235号
厚真川橋梁 - JR日高本線
臨港大橋

関連項目

厚真ダム
佐主岳 - 源頭付近にある支流の水源
二等三角点「幌内」 - 日高幌内川（支流）の源頭
似湾峠 - ウクル川・軽舞川（支流）の源頭
浜厚真駅 - 河口付近にあるJR日高本線の駅
苫東厚真発電所 - 河口付近にある北海道電力の火力発電所
苫小牧東港周文フェリーターミナル - 河口付近にある新日本海フェリーのターミナル
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