原山支石墓群

原山支石墓群

原山支石墓群は、長崎県南島原市（旧南高来郡北有馬町）に位置する、縄文時代終末期の重要な遺跡です。一般には原山ドルメンという名称でも知られています。この遺跡は、国内の支石墓遺跡としては最古かつ最大級のものと評価され、その学術的な価値の高さから、1972年（昭和47年）11月6日に国の史跡として指定されました。

概要

遺跡は、島原半島の南西部に位置し、標高約250メートルの台地上に広がっています。元々は3つの群で構成されていましたが、そのうち第1群は開墾によって失われ、現在では「第3支石墓群」と「第2支石墓群」の2つが残っています。第3群には40基以上の支石墓があり、第2群は6基の支石墓で構成されています。

1960年（昭和35年）、1961年（昭和36年）、そして1971年の3回にわたり、日本考古学協会西北九州総合調査特別委員会（主任：森貞次郎）によって発掘調査が行われました。この調査によって、36基の支石墓とともに、籾の圧痕が確認できる縄文時代晩期の土器などが発見されています。

第2群は現在、金網で保護されており、一般の立ち入りは制限されています。一方、第3群は「原山農村公園」の一角として整備され、一般の人々も自由に訪れることができます。

特徴

支石の下には、土壙を持つものと箱式石棺を持つものの2種類が見られます。さらに、内部に甕棺を持つものも存在します。箱式石棺の中には、極端に短くて深いものが少なくなく、これらの石棺に埋葬された遺体は、横たわる姿勢ではなく、体を折り曲げた蹲踞（そんきょ）の姿勢で埋葬されていたと考えられています。甕棺からは、刻目突帯や籾圧痕が確認されています。副葬品などの遺物は少ないものの、縄文時代晩期の土器や石包丁が発見されており、当時の生活様式をうかがい知ることができます。この遺跡は、縄文文化と稲作の関係を探る上で非常に重要な資料を提供してくれます。

中国大陸（浙江省）からの稲作伝来の時期が縄文時代晩期に遡ると推定されており、日本における稲作の伝来と開始を示す遺跡として、その歴史的な価値が認められ、史跡に指定されました。

原山支石墓群は、古代の文化や生活を知る上で貴重な場所であり、訪れる人々に歴史のロマンを感じさせてくれるでしょう。

関連情報

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