原島博

原島博

原島博（はらしま ひろし、1945年9月12日 - ）は、日本の著名な研究者であり、東京大学名誉教授です。現在は東京大学大学院情報学環の特任教授を務めています。彼の研究分野は多岐にわたり、情報理論、信号処理、ヒューマンコミュニケーション技術、そして顔学など、幅広い領域で顕著な業績を上げています。

生い立ちと学歴

原島氏は東京都府中市で生まれ、麻布中学校・高等学校を経て東京大学工学部電子工学科を卒業しました。その後、1973年に東京大学大学院工学系研究科博士課程を修了し、その学識と研究能力を確立しました。

キャリア

東京大学では、工学部専任講師、助教授、教授を歴任し、その後大学院情報学環長・学際情報学府長を務めました。2009年に東京大学を定年退官した後も、研究活動を継続しています。1995年には日本顔学会を設立するなど、学術界の発展にも大きく貢献しています。

研究分野と業績

原島氏の初期の研究は通信理論に焦点を当て、特にTHP（Tomlinson-Harashima Precoding）などの通信方式を提案しました。その後、人と人とのコミュニケーションを技術的な側面から支援すること、および学際的な情報学の発展を目標に活動を展開しました。電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループや日本顔学会、東京大学大学院情報学環の設立に尽力し、学術分野の発展に貢献しました。

さらに、科学技術と文化芸術の融合にも深い関心を持ち、文化庁メディア芸術祭審査委員長・アート部門主査、グッドデザイン賞の審査員なども務めました。東日本大震災の直後からは、個人講演会として私塾を毎月開催し、知識と経験を社会に還元しています。

著書

原島氏は、情報理論、信号処理、顔学など、多岐にわたる分野で多数の著書を執筆しています。これらの著書は、研究者だけでなく、学生や一般の読者にも広く読まれています。

情報理論関連

『情報と符号の理論』（共著）、岩波講座情報科学４、1983年
『信号解析教科書』（単著）、コロナ社、2018年
『信号処理教科書』（単著）、コロナ社、2018年

情報工学・顔学関連

『感性情報学』（監修）、工作舎、2004年
『顔学への招待』（単著）、岩波科学ライブラリー、1998年
『顔の百科事典』（編集委員長）、丸善出版、2015年
『ビジュアル顔の大研究』（監修）、丸善出版、2020年

その他

『新版プロデューサーシップのすすめ』（寄稿）、紫洲書院、2023年
『俯瞰する知——原島博講義録シリーズ』（単著）、全１０巻、工作舎、2024年～
巻1「情報の時代を見わたす」、2024、ISBN 978-4-87502-563-4

人物像

原島氏は、通信理論を基礎としつつも、その研究対象を人間のコミュニケーションや文化芸術にまで広げた、非常に幅広い視野を持つ研究者です。その活動は、単に学術的な貢献にとどまらず、社会における知識の普及や文化の発展にも貢献しています。

外部リンク

原島博ホームページ
原島 博 (hirohrsm) - Facebook
原島博 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
論文一覧（KAKEN、CiNii）
原島博 - J-GLOBAL
原島博 - researchmap
* 日本の研究.com:138512

原島博氏の学問への貢献は、情報科学の分野のみならず、文化や社会全体に影響を与え続けています。

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