原水爆禁止日本国民会議

原水爆禁止日本国民会議とは

原水爆禁止日本国民会議（通称：原水禁）は、1965年に設立された市民団体であり、反核および平和運動を推進することを目的としています。この団体は、核兵器の廃絶を実現し、平和な社会を構築するための運動を展開しており、その活動は日本国内外で広く認知されています。

形成の背景と経緯

1965年2月1日、全電通会館で行われた結成大会において、原水禁の代表委員として太田薫、清水谷恭順、森滝市郎、高橋正雄、浜井信三、蓮田竜彦の6人が選出されました。また、事務局長には伊藤満が就任しました。原水禁の結成は、原水爆禁止日本協議会（原水協）が分裂したことが背景にあります。

原水協内で、社会党系のグループは「全ての国の核実験に反対する」という立場を取る一方で、主流派である共産党系は社会主義国の核実験を容認する姿勢を示しました。この対立がきっかけとなり、より明確に反核を掲げる新団体として原水禁が結成されることになったのです。特に、ソビエト連邦は原水禁に対して支持を表明しましたが、これは自国が核兵器を保有し、核実験をしていたにもかかわらずです。

原水禁の主張と活動

原水禁はその設立以来、核兵器の廃絶を究極的な目標として掲げ、国際連合の枠組みにおける核廃絶の推進に努めています。また、核拡散防止条約や包括的[[核実験禁止条約]]に対しても好意的な立場を示し、日本政府にこれらの条約を遵守するよう働きかけています。

原水禁では、アメリカ帝国主義や他国の軍事的脅威に対し、反対の姿勢を貫くことが重要視されています。特に、東西冷戦が続く中、戦争の危機を回避し、平和を保持するための運動とされてきました。このような背景から、原水禁は「いかなる国の核武装にも反対する」という強い姿勢を持つ運動として展開されています。

他団体との関係性

1980年代には原水協との合同集会が実施されることがあり、また、護憲連合や水を守る中央労農市民会議との統合によって平和フォーラムが設立され、さらなる協力の輪が広がっていきました。特に、2005年からは民社党系の核禁会議と共に、広島や長崎で平和大会を開催し、反核のメッセージを訴え続けています。

しかし、2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故を受けて、脱原発を目指す原水禁と原発の平和利用を主張する核禁会議との間で対立が深まりました。その後、両団体はそれぞれ独自の見解を示し、2013年には平和大会の共同開催を取りやめることとなりました。

現在の活動

原水禁は現在も積極的に脱原発の活動を行い、全国的な署名活動やデモなどを展開しています。特に、「さようなら原発1000万人アクション」といった運動の提唱を通じて、多くの市民と連携し、脱原発を訴える声を強めています。

本部は東京都千代田区にあり、さまざまな出版物を通じて核問題や原子力に関する情報を発信しています。原水禁の運動は、今後も続けられていくことでしょう。

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