原田宏二

原田宏二の業績と影響

原田宏二（はらだ こうじ、1937年12月18日 - 2021年12月11日）は、日本の警察ジャーナリストであり、元北海道警察警視長として知られています。北海道出身の原田は、警察官としてキャリアを積み重ね、最終的にはノンキャリアの最高階級である警視長に昇任しました。

職業経歴

警察官としての道

原田は1957年に警察官採用試験に合格し、北海道警察学校旭川方面分校に入校しました。以降、北海道警察の巡査として勤務を開始し、1975年には警察庁に出向し保安部防犯課の係長として警察庁警部に昇進します。1977年には警視に昇任し、その後も山梨県警察や熊本県警察での捜査課の主任職を歴任しました。

1982年に北海道警察に復帰すると、警視として機動捜査隊の隊長や札幌西警察署長などを務め、1989年には警視正に昇任しました。1993年には釧路方面本部長、1994年に警視長に昇進するまで、様々な役職を経験しました。

警察を退職後の活動

原田は1995年に北海道警察を退職し、その後安田生命保険相互会社の参与として活動します。しかし、彼の影響は警察外にも広がります。2004年、北海道警察の裏金問題を弁護士の市川守弘と共に告発し、これが原田の警察内部告発者としての活動の始まりとなりました。この告発は、警察内部での不正を正すために行われたものであり、警察における透明性を求める重要な一歩となりました。

北海道警裏金事件

北海道警の裏金問題は、原田が元警察官として内部から告発を行った事件です。彼は、警察内部での不正な資金の取り扱いや、不当な人事処分の問題を是正するために声を上げました。この問題の発端は、元部下が逮捕された「稲葉事件」であり、それが原田の告発のきっかけとなりました。自身が訴えたことは、その後の警察改革へと繋がる重要な出来事となります。原田自身も、その告発によって公安刑事に尾行された経験を語っています。

社会活動と著書

原田は「明るい警察を実現する全国ネットワーク」の発起人や、「市民の目フォーラム北海道」の代表を務め、警察に関する市民の苦情や要望に応える活動を行ってきました。特に、告発を通じて警察の透明性を高め、市民との信頼関係を築くことに努めました。

彼はまた、複数の著書を執筆しており、警察の内部告発者としての経験を綴った『警察内部告発者』や、警察官としての戦いを描いた『たたかう警官』などが広く知られています。著書の印税は、福祉団体や自身の団体に寄付する意志を示しています。

終焉

原田宏二は、2021年12月11日に他界しましたが、彼の警察改革への貢献と市民への積極的な支援活動は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。彼の生涯は、単なる警察官の枠を超え、社会正義を追求するジャーナリストとしての重要な一歩を踏み出したものとして語り継がれています。

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