原田康

原田康（はらだ やすし）氏は、1950年9月15日に山口県に生まれた日本の実業家です。特に、日本の地図情報サービス分野をリードする株式会社ゼンリンにおいて、代表取締役社長を務めたことで知られています。

原田氏のキャリアは、1973年3月に西南学院大学法学部を卒業したことから始まります。大学での学びを終えた後、同年4月には株式会社西日本相互銀行（現在の株式会社西日本シティ銀行）に入行し、金融業界での第一歩を踏み出しました。

銀行での経験を積んだ後、1980年2月、原田氏は株式会社善隣（当時の社名）に入社します。善隣はその後、1983年7月に株式会社ゼンリンへと社名を変更しました。ゼンリンに入社して以降、原田氏は社内の要職を歴任していきます。

1988年4月には総務部財務担当部長に就任し、管理部門における財務分野で手腕を発揮しました。翌1989年4月には財務部長となり、より責任ある立場で企業の財務戦略に関与します。1990年4月には経営企画室長に就任し、会社の将来的な方向性や戦略の立案に深く関わりました。その後、1994年4月には人事部長を務めるなど、管理部門を中心に幅広い経験を積みました。

1995年4月には管理本部副本部長兼総務部長・人事部長という重責を担い、複数の重要な管理部門を統括する立場となります。これらの実績が評価され、同年6月には取締役に就任しました。これにより、原田氏は経営の一翼を担うことになります。

取締役就任後も昇進を続け、1997年4月には常務取締役管理部門担当に就任。さらに1998年4月には常務取締役営業部門担当となり、営業の最前線にも携わります。1999年6月には再び管理部門の中心である常務取締役管理本部長を務めるなど、管理と営業の両面で経営経験を積みました。

そして、2001年4月、原田氏は代表取締役社長に就任します。これは、創業家出身で第2代社長を務めた大迫忍氏の後任として、ゼンリンの経営のトップに立つことを意味しました。銀行出身者としては異例の社長就任であり、彼の多岐にわたる経験と実績が高く評価された結果と言えるでしょう。第3代社長として、原田氏は約7年にわたりゼンリンの経営の舵取りを担いました。

社長在任中、原田氏は変化の激しい地図情報業界において、企業の成長と発展のためにリーダーシップを発揮しました。2008年、原田氏はゼンリンの代表取締役社長を退任しました。金融業界からキャリアをスタートさせ、ゼンリンで管理、企画、営業など幅広い経験を積んだ後、非創業家出身者として社長に就任し、同社の歴史において重要な役割を果たした人物です。

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