原田準平

原田準平：日本の鉱物学に多大な貢献をした学者

原田準平 (1898年10月5日 - 1992年4月7日) は、日本の鉱物学を代表する学者の一人です。神奈川県横浜市に生まれ、東京帝国大学理学部を卒業後、熊本高等工業学校や第五高等学校で教鞭を執りました。その後、欧州に留学し研鑽を積んだのち、北海道帝国大学理学部地質学鉱物学教室の創設に携わり、助教授、教授として活躍しました。1939年には東京帝国大学より理学博士の学位を取得しています。

輝かしい経歴と研究活動

北海道帝国大学教授時代には、1958年には理学部長に就任するなど、教育・研究機関において指導的な役割を担いました。1962年に北海道大学を定年退官した後も、教育者としての道を歩み続け、旭川工業高等専門学校の校長(1962-1970)や北海道測量専門学校の校長(1977-1982)を歴任しています。

彼の研究は、野外で採取した鉱物の物理的・化学的性質と、その産出状態との関係を重視するものでした。鉱物学と鉱床学の両方に精通しており、その専門性を活かし、北海道の鉱業の発展にも貢献しました。特に、鉱物と鉱床の関連性を深く研究したことで知られています。その功績から、日本鉱物学会初代会長(1952-1956)も務めています。

新鉱物「原田石」の発見

原田準平の名前は、1982年に岩手県と鹿児島県で発見された新鉱物「原田石」(haradaite) に命名されたことで、広く知られるようになりました。これは彼の鉱物学への貢献を称えるものであり、その業績が世界的に認められた証と言えます。

数々の受賞歴と栄誉

彼の功績は高く評価され、数々の賞を受賞しました。北海道科学技術賞、北海道総合開発知事賞など、研究活動と教育活動の両面で高い評価を受けています。また、叙勲二等旭日重光章を受賞するなど、国からもその功績を称えられました。

著作とその後

原田準平は、『ジョーリー説による地殻の輪廻』や『鉱物概論』など、数多くの著書を出版しました。これらの著作は、今日でも鉱物学研究者や学生にとって貴重な資料となっています。『鉱物概論』は岩波全書として出版され、改訂版も出版されるなど、その影響力の大きさを示しています。1992年4月7日、心肺不全のため逝去されました。

まとめ

原田準平は、日本の鉱物学の発展に大きく貢献した重要な人物です。研究活動、教育活動、そして鉱業への貢献を通して、日本の科学技術の発展に多大な功績を残しました。彼の業績は、後世の研究者や学生たちに多大な影響を与え続けています。彼が残した著作や、彼の名にちなんで命名された「原田石」は、日本の鉱物学の歴史において、重要な足跡として永遠に刻まれているでしょう。

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