原田貞介

原田貞介

原田貞介は、1865年（慶応元年）に周防国（現在の山口県）で生まれ、1937年（昭和12年）に亡くなった、明治から大正時代にかけて活躍した土木技術者、内務技監です。工学博士の学位も持っていました。

生い立ちと学歴

原田貞介は、原田精一の長男として誕生しました。1883年（明治16年）に旧東京大学理学部に入学しますが、寄宿舎のストライキに参加したことが原因で、1886年（明治19年）に大学を退学することになります。その後、自費でドイツに留学し、シャロッテンブルク高等工芸学校（現在のベルリン工科大学）で河海工学を学び、1891年（明治24年）に卒業しました。

内務省での活躍

帰国後の1892年（明治25年）5月、原田貞介は内務省に入省し、土木監督署技師としてキャリアをスタートさせました。その後、1898年（明治31年）には第4区（名古屋）土木監督署長、1905年（明治38年）には名古屋土木出張所長、1911年（明治44年）には下関土木出張所長を歴任しました。1918年（大正7年）には内務技監に就任し、1924年（大正13年）に退官するまで、日本の土木行政に貢献しました。

その他の役職

内務省での職務以外にも、原田貞介は多くの要職を歴任しました。朝鮮総督府土木顧問、港湾調査会委員、臨時治水調査会委員、帝都復興院参与、そして土木学会第8代会長など、多岐にわたる分野でその知識と経験を活かしました。また、1932年（昭和7年）には錦鶏間祗候を仰せ付けられています。

海外での活動と業績

原田貞介は、日本国内だけでなく、海外でもその技術を発揮しました。中国に渡り、漢口の護岸工事などを指導するなど、国際的な貢献も行っています。また、沖野忠雄と共に明治改修にも尽力し、日本の河川改修事業に大きな足跡を残しました。

原田貞介の功績

原田貞介は、ドイツで習得した河海工学の知識を活かし、日本の土木技術の発展に大きく貢献しました。内務省での長年の経験と、各役職での活動を通して、日本のインフラ整備に尽力した人物として、その名前は後世に語り継がれています。

栄典

1892年（明治25年）9月26日 - 従七位

参考文献

人事興信所『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
* 高橋裕、藤井肇男 共著『近代日本土木人物事典: 国土を築いた人々』鹿島出版会、2013年。

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