原町火力発電所

原町火力発電所の概要

原町火力発電所（はらまちかりょくはつでんしょ）は、福島県南相馬市原町区に位置する東北電力が運営する石炭火力発電所です。1997年に1号機が運転を開始し、その後2号機も建設されました。当初、使用する燃料は全て海外から輸入した石炭でしたが、2010年からは木質バイオマスの混焼を開始し、より持続可能なエネルギー供給を目指しています。

この発電所は、環境へ配慮した技術が導入されており、公害の原因となる煙や騒音への対策が整えられています。具体的には、硫黄酸化物や窒素酸化物を抑制するための集塵装置や、様々な排水対策が施されており、最新の技術を駆使して、運転の際の環境負荷を最小限に抑えています。

発電設備

原町火力発電所の総出力は200万kWに達し、その敷地面積は約153万平方メートルです。以下に、各発電機の詳細を示します。

1号機

• - 定格出力: 100万kW
• - 使用燃料: 石炭（海外炭）、木質バイオマス
• - ボイラー: 三菱重工業
• - タービン: 東芝
• - 発電機: 東芝
• - 蒸気条件: 超々臨界圧
• - 熱効率: 44%（低位発熱量基準）
• - 営業運転開始: 1997年7月11日

2号機

• - 定格出力: 100万kW
• - 使用燃料: 石炭（海外炭）、木質バイオマス
• - ボイラー: バブコック日立
• - タービン: 日立製作所
• - 発電機: 日立製作所
• - 蒸気条件: 超々臨界圧
• - 熱効率: 44%（低位発熱量基準）
• - 営業運転開始: 1998年7月3日

さらに、発電所内には「原町太陽光発電所」というメガソーラー発電所があり、2015年1月に営業運転を開始しました。太陽光発電と火力発電の両方を組み合わせることで、持続可能なエネルギー供給が実現されています。

災害の影響と復旧

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震（いわゆる東日本大震災）は、原町火力発電所に甚大な影響を与えました。発電所は高さ18メートルの津波に直撃され、施設の大部分が破損しました。その結果、社員の一人が避難中に亡くなるという悲劇も起きました。また、油漏れによる火災や、揚炭機の破損、大型の石炭船の沈没といった被害が報告されました。

震災後、発電所は一時送電を停止しましたが、2011年9月に緊急時避難準備区域が解除されると、復旧作業が本格化しました。初めは2013年夏頃までの復旧予定でしたが、作業は順調に進み、2012年11月には2号機、2013年1月には1号機でそれぞれ試運転が再開されました。その後、両機は2013年3月29日と4月26日に営業運転に戻りました。

地域のエネルギー需要

原町火力発電所は、地域社会における重要なエネルギー供給源となっています。発電所の高い熱効率と環境負荷の低減に向けた取り組みにより、持続可能な発電が行われています。これからも、地域の期待に応えるべくさらに技術革新に努めていくことが求められています。

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