バブコック日立

バブコック日立株式会社について

バブコック日立株式会社（Babcock-Hitachi K.K.）は、主にボイラー部品の製造を行った企業で、神奈川県横浜市西区に本社を構えていました。1888年、イギリスのバブコック・アンド・ウィルコックスが日本でボイラー部品を生産するための会社を設立したことがその起源です。1928年に東洋バブコックに社名を変更し、1953年には株式会社日立製作所の資本を受け入れたことから、バブコック日立株式会社として知られるようになりました。

企業の歴史

1987年には日立製作所が全ての株式を取得し、完全子会社化されました。その後、資本金を50億円に増資し、日立グループの中核企業として位置づけられました。2014年2月1日には三菱重工業と日立製作所の火力発電システム事業が統合された合併会社、三菱日立パワーシステムズ（現在の三菱パワー）傘下に移行し、2014年10月1日には同社に吸収合併されて解散しました。

事業内容

バブコック日立株式会社の主な事業は、火力発電用の蒸気発生装置や環境保全機器、原子力機器を中心とするエネルギー事業でした。また、都市ごみや産業廃棄物の資源再循環を推進し、環境保全事業にも注力していました。合併以前には、広島県呉市にのみ生産・開発拠点を持ち（呉事業所）、呉市内には複数の工場が存在していましたが、横浜市磯子区にあった横浜工場は日立製作所に譲渡され、完全に撤退しました。

事業所

本社は神奈川県横浜市の三菱重工横浜ビル内にあり、呉市内には研究所や複数の工場がありました。具体的には、呉研究所、第一工場、第二工場、安芸津工場、能美工場などがあり、海外にはフィリピン工場や中国工場も存在していました。これらの施設は、主に火力発電や原子力事業に特化した製品の生産に携わりました。

その他の情報

同社が関与した福島第一原子力発電所第四号機の原子炉圧力容器に関しては、製造過程で法令上の規制を超えた歪みが生じた可能性があるとされ、その矯正作業が疑義を持たれる不適切なものであったと証言されました。なお、福島第一原子力発電所は事故の影響により、当該原子炉の廃炉が予定されています。

このように、バブコック日立株式会社は日本におけるエネルギー事業の一端を担ってきましたが、最終的には三菱日立パワーシステムズに吸収され、歴史の一ページを閉じました。

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