原笙子

原笙子（はら しょうこ）は、1933年3月14日に京都府で生まれ、2005年10月7日に急性骨髄性白血病により72歳で亡くなった舞楽家です。彼女のペンネーム「原笙子」は、ロシア語の「ハラショー（Xopoшo）」に由来しています。

原笙子は、1957年に日本で唯一の女人舞楽を担う「京都舞楽会」を設立し、男性中心であった舞楽の世界に新たな潮流をもたらしました。この活動は、伝統芸能の世界における女性の活躍の道を切り開くものでした。

彼女の人生は、波乱に満ちたものでもありました。少女時代には家出を繰り返すなどの経験を経て、1978年には自らの体験を綴った自伝的小説『不良少女と呼ばれて』を出版。この作品はベストセラーとなり、テレビドラマ化もされました。しかし、ドラマ版は原作とは大きく異なり、脚色が多く加えられていました。このドラマの成功により、原笙子の名前は広く知られることとなりました。

1985年、兵庫県芦屋市に女人舞楽の会「原笙会」を設立し、国内外で公演活動を展開。原笙子と彼女の率いる「原笙会」は、日本の伝統文化である舞楽を世界に紹介し、その魅力を広く伝えることに貢献しました。彼女の舞楽への情熱と才能は、多くの人々を魅了しました。

原笙子は、その生涯を通じて舞楽の発展と女性の社会進出に貢献しました。彼女の作品と活動は、現在も多くの人々に影響を与えています。彼女の著書には、『山羊の目の先生』（1982年）、『不良少女とよばれて』（1984年）、『女人舞楽―不良少女と呼ばれたけれど』（1994年）、『やっぱり「不良」でした（上）』（2005年）、『やっぱり「不良」でした（下）』（2005年）などがあります。

原笙子の死後、彼女が設立した「原笙会」は、夫が代表を務め、現在も活動を続けています。彼女の遺志は、後世に受け継がれ、彼女が愛した舞楽の世界で生き続けています。彼女の舞楽への情熱と、自身の人生を赤裸々に綴った作品は、多くの人々に勇気と感動を与え続けています。

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