舞

舞（まい）とは

舞とは、日本舞踊において、メロディに合わせて旋回運動を主とする表現形式です。跳躍を要素とする「踊り」とは、本来異なる性格を持つものでした。舞は、個人的・芸術的な要素が強く、古くから世襲的に伝えられてきました。一方、踊りは群舞や乱舞といった集団的な形態が多く、生活的な要素が強いものでした。

歴史

舞は、古典的な神楽に大陸からの渡来芸が加わって成立したと考えられています。民衆の中から生まれた踊りと比較して、専門的な技能を必要とするため、世襲的に伝えられることが多かったようです。しかし、明治維新後には、家禄を失ったことにより多くの舞が途絶えてしまいました。現在では、伝統芸能として能楽の要素として残る程度です。

しかし、多くの民俗芸能（郷土芸能）が重要無形民俗文化財に指定されており、その伝統を受け継ぐものは多く、舞の面影をしのぶことができます。室町時代から江戸時代の初期にかけては、舞といえば幸若舞を指すことが多かったようです。

舞楽（ぶがく）

舞楽とは、舞を伴った雅楽のことを指します。日本の舞楽は、唐楽、林邑楽、度羅楽、高麗楽、新羅楽、百済楽といった中国を中心とした広範囲の音楽と舞踊をまとめたものです。これらの楽舞は、欽明天皇の時代から推古天皇の時代にかけて日本に伝来したと考えられています。

舞楽は、現代でも演じられていますが、中国や朝鮮で整理された形で日本に伝わったため、元となったものよりも昇華した部分もあります。演目に合わせて、舞楽面と呼ばれる仮面をつけて踊るのが特徴です。

重要無形民俗文化財に指定されている舞

以下に、重要無形民俗文化財に指定されている舞を記載します。これらの舞は、口承によると室町時代以前からの歴史を持つものが多いとされています。

[重要無形民俗文化財の舞の一覧は、文化庁のデータベースを参照してください。]

その他の舞

各地には、以下のような舞の芸能も伝承されています。

[各地に伝承されている舞の芸能については、関連文献を参照してください。]

参考文献

池田弥三郎『芸能』岩崎美術社、1968年
中村保雄『仮面と信仰』新潮社、1993年
国指定文化財データベース


[注釈]

重要無形民俗文化財の舞の一覧や各地に伝承されている舞の芸能については、必要に応じて文化庁のデータベースや関連文献を参照してください。

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