厨房 (ネット用語)

インターネットスラング「厨房」：幼稚なネット行為を行うユーザーへの蔑称

インターネット上で使用される「厨房（ちゅうぼう）」という言葉は、本来の「台所」という意味とは異なり、幼稚で攻撃的な発言や、嫌がらせ、誹謗中傷など、迷惑行為を行うユーザーを指す蔑称として用いられています。主に若年層のユーザーを指すことが多いですが、年齢を問わず、特定の行動パターンを示すユーザー全般を揶揄する意味合いで使用されるケースもあります。

語源と派生語

「厨房」というインターネットスラングの起源は定かではありませんが、IMEの誤変換から生まれたという説が有力です。「中坊（ちゅうぼう）」の誤変換として生まれたという説もあります。「中坊」は中学生を指す俗語ですが、幼稚な言動をする者を揶揄する際に使用されるため、同様の意味合いで「厨房」が用いられるようになったと考えられます。

この言葉は、草の根BBS時代から散発的に使用されていましたが、1990年代後半に特定のオンラインコミュニティで広まりました。その後、「厨房」から派生した言葉も数多く生まれました。例えば、小学生を「消防（しょうぼう）」、高校生を「工房（こうぼう）」と呼ぶなど、年齢層に応じた表現も用いられます。

さらに、「○○厨」という形で特定の行動パターンや、特定のコミュニティに属するユーザーを指す言葉も派生しました。「政治厨」「対立厨」など、特定の話題に執着し、他者を攻撃するユーザーを指す際に用いられます。また、季節に合わせた表現として「春厨」「夏厨」「冬厨」など、休暇期間中にインターネット上に現れるユーザーを指す言葉もあります。

「リア厨（リアル厨房）」という言葉は、実際に中学生であるユーザーを指し、「リア充（リアル充実）」という言葉もここから派生したと考えられています。

「七厨板」とその他

2ちゃんねるにおいては、「七厨板」と呼ばれる、特に「厨房」が多いとされる7つの掲示板が認識されていました。ただし、その定義は曖昧で、人によって異なる場合があります。これらの掲示板は、ジャンル外の話題を持ち込んだり、炎上行為を誘発したりする傾向がある掲示板として認識されています。

「厨房」に関連する言葉は他にも数多く存在し、それぞれが特定の行動パターンや、インターネット上の特定のコミュニティに関連づけられています。例えば、「自治厨」「処女厨」「嫌韓厨」「嫌日厨」「改造厨」「ネトラン厨」「割れ厨」「ネトゲ厨」など、多岐にわたる言葉があります。これらの言葉は、それぞれの行動パターンを示すユーザーを指すだけでなく、それらの行動を批判的に捉えるニュアンスを含んでいます。

まとめ

「厨房」は、インターネットスラングとして、幼稚で迷惑な行為を行うユーザーを指す蔑称として用いられています。その語源や派生語、そして関連する言葉は、インターネット文化の変遷を反映していると言えるでしょう。現在では「厨房」自体が頻繁に使われることは少なくなりましたが、「○○厨」という派生語は、特定のネット上の問題行動を示すユーザーを批判する際に、今もなお使用されています。これらの言葉は、ネット上でのコミュニケーションにおける問題点や、ユーザー間の相互理解の難しさを示す一例として、注目に値するでしょう。

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