厲共公

厲共公（れいきょうこう）

厲共公は、秦の第17代の君主であり、悼公の子として生まれました。彼の在位期間は、紀元前477年から紀元前443年までの34年間でした。この時代、秦は領土拡大と国力増強を目指し、周辺諸国との間で数々の軍事衝突を経験しました。

治世

厲共公の治世は、以下の出来事で特徴付けられます。

即位と初期の出来事: 紀元前477年、父である悼公の死を受けて秦公の座に就きました。紀元前475年には、蜀の国から貢ぎ物を受けました。これは、当時の秦が周辺地域との外交関係を築いていたことを示唆しています。

対外戦争: 厲共公は、積極的に対外戦争を行いました。紀元前461年には、黄河沿いの地域に溝を掘り、大茘を攻撃してその王城を攻略しました。また、紀元前444年には、義渠を攻撃し、その王を捕虜にするという軍事的成功を収めています。

国内政策: 厲共公は、国内の統治機構を整備しました。紀元前456年には、頻陽を県として初めて設置しました。これは、秦が地方統治を強化し、中央集権化を進めていたことを示しています。

晋の内乱と戦国時代の幕開け: 厲共公の治世中、晋において内乱が発生し、紀元前453年には趙・韓・魏の三国に分裂しました。これにより、中国は春秋時代から戦国時代へと移行しました。晋の内乱で殺された智瑶の一族である智開が秦に亡命してきたという出来事も、この時代の混乱を象徴しています。

評価

厲共公の治世は、秦が戦国時代に向けて着実に国力を高めていった時代と評価できます。彼は、積極的な対外戦争によって領土を拡大し、国内統治機構を整備することで、秦の基礎を固めました。しかし、彼の治世はまた、中国が戦国時代という動乱の時代へと突入する時期でもありました。

厲共公の死後、子の躁公が秦公の座を継ぎました。

参考文献

* 史記（秦本紀第五）

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