厳島神社

概要

厳島神社（いつくしまじんじゃ）は広島県廿日市市の厳島、即ち宮島に位置する歴史ある神社です。その起源は古代に遡り、宗像三女神を祀るこの神社は、全国に約500社ある厳島神社の総本社となっています。1996年にはユネスコの世界文化遺産に登録され、その美しい建築と自然環境が高く評価されています。

厳島神社は広島湾に浮かぶ厳島の北東部、標高535メートルの弥山の北麓に鎮座しています。神社の歴史は平家との結びつきによっても知られ、平清盛によって現在の海上に立つ大規模な社殿が整えられたのが特徴です。現在の社殿は本殿、拝殿、回廊などの主要な構造物があり、これらは国宝に指定されています。また、優雅な大鳥居も重要文化財のひとつであり、海中に立つ姿は多くの観光客を魅了しています。

祭神

厳島神社の祭神は「宗像三女神」と呼ばれる三柱であり、各神が異なる役割を持っています。

- 市杵島姫命 (いちきしまひめのみこと)
- 田心姫命 (たごりひめのみこと)
- 湍津姫命 (たぎつひめのみこと)

これらの神々は古代からの信仰の対象となり、特に市杵島姫命は仏教の女神・弁才天と習合し、隣接する大願寺とともに重要な聖地として知られています。

歴史

厳島神社の創建は、推古天皇元年（593年）に遡ります。当時、有力豪族の佐伯鞍職が神託を受けて社殿を造営したとされ、その後、神社は平安時代に入ると名神大社としての地位を確立します。平安時代末期には平家一門の信仰を受け、特に平清盛による社殿の造営が有名です。

武士政権の変遷とともに厳島神社も影響を受け、建永2年と貞応2年の二度、火災により社殿が消失する事態が起こりました。現在の社殿はその後、仁治年間（1240年-1243年）以降に再建されたもので、建築様式は平安時代末期の特徴を残しつつ、時代を超えても信仰を集めた美しい構造を持っています。

社殿の特徴

厳島神社の社殿には、本社本殿、幣殿、拝殿、祓殿といった重要な建物があります。これらの構造物は海上に建てられており、満潮時には浮遊しているように見えます。本社は特に美しい寺院であり、左右の楽房や門客神社が周囲を囲む形で配置されています。

社殿の建築技術は注目に値し、潮の影響を受けながらも耐久性が考慮されています。過去には台風等で倒壊の危険に晒されてきましたが、各時代の修復作業によってその美しさを維持しています。

お祭りと文化

厳島神社では、毎年多くの祭りや行事が行われ、その中でも「管絃祭」は特に有名です。この祭りは旧暦6月17日に行われ、管絃船が浮かぶ神事がクライマックスを迎えます。

また、厳島神社は国宝や重要文化財にも指定されており、厳島の美しい自然と文化的な資源が融合し、多くの人々を惹きつけています。観光だけでなく、今もなお多くの信者によって大切に守られる聖地です。

厳島神社は、自然の美しさと共に日本の文化、歴史、精神的な象徴として、訪れる人々に深い感動を与え続けています。一度訪れる価値のある神社と言えるでしょう。

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