厳綱

厳綱（げん こう）は、後漢時代末期の武将であり、公孫瓚（こうそん さん）の配下として知られています。一部の文献では「劉綱」とも記されています（盧弼『三国志集解』注）。

正史における事跡

厳綱は、公孫瓚が勢力を拡大していた時期にその名が見られます。初平2年（191年）以降、公孫瓚は従弟の勃海太守・公孫範（こうそん はん）の活躍もあり、袁紹（えん しょう）を凌ぐほどの勢いを誇っていました。公孫瓚は田楷（でん かい）を青州刺史に、単経（ぜん けい）を兗州刺史に任命しましたが、厳綱も同時に冀州刺史（きしゅうしし）に任命されています。

初平3年（192年）、厳綱は公孫瓚に従い、袁紹軍との間で繰り広げられた界橋（かいきょう）の戦いに参加しました。しかし、袁紹軍の勇将として知られる麴義（きく ぎ）の前に敗れ、戦死を遂げました（あるいは、生け捕られた後に処刑されたとも伝えられています）。

物語中の厳綱

小説『三国志演義』においても、厳綱は史実と同様の描写で登場します。界橋の戦いにおいて、やはり麴義によって討ち取られるという結末を迎えます。

参考文献

『三国志』魏書6 袁紹伝
『三国志』魏書8 公孫瓚伝
『後漢書』列伝64上 袁紹伝上
盧弼『三国志集解』（古籍出版社、1957年）
* 『三国演義』

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