厳詳燮

厳詳燮（オム・サンソプ）

厳詳燮（オム・サンソプ）は、1907年または1908年に生まれ、1960年に亡くなった韓国の著名な教員、検察官、弁護士、政治家であり、刑法学者です。彼は、韓国刑法学の父として知られ、多くの重要な政治的、法的な役割を果たしました。

生い立ちと教育

厳は全羅南道光陽郡津上面に生まれました。貧しい農家の家庭で育ちましたが、彼の教育に対する熱意は早くから示されていました。1926年に光州全南公立師範学校を卒業し、その後は霊岩や筏橋で初等教育の教員として勤務しました。この頃から教育の重要性を深く理解し、多くの学生に影響を与えることとなります。

法律の道へ

1938年、厳は独学で高等文官試験司法科に合格しました。これにより、朝鮮総督府の司法官試補としてのキャリアが始まりました。1941年には光州地方法院で検事として勤務するようになり、その後も咸興地方法院の検事として能力を発揮しました。光復後、彼はソウル地方検察庁の次長検事などを歴任し、韓国の法制度において重要な役割を担いました。

教育と政治活動

厳はまた、教育者としても著名でした。1950年から1954年まで弘益大学の学長を務め、刑法の講師としても教鞭を取っていました。彼の専門知識は、次第に政治にも影響を与え、国会議員としても活躍します。特に、刑法草案の起草や人権の保護に貢献し、その理念は今も受け継がれています。

社会運動と死

1960年には、趙炳玉を追悼する学生運動に参加しましたが、そのわずか1ヶ月後に逝去しました。享年53歳でした。彼の死は多くの人々に衝撃を与え、国会葬を行うほどの影響力がありました。葬儀には多くの著名人が集まり、彼の功績を称えました。

重要なエピソードと影響

厳は、彼が咸興で勤務していた際、朝鮮語学会事件で李熙昇を釈放したことで知られています。また、親日反民族処罰法が国会に上程された際には、自らの反省を込めて辞表を提出するという行動もありました。これにより、彼は日本統治時代の検察官としての倫理的な問題にも踏み込むこととなります。

第2代総選挙では地元光陽から当選し、その後第4代総選挙ではソウル龍山区から再度当選を果たしましたが、李承晩政権との間での対立も多かったとされています。厳の生き方は、当時の韓国における刑法の発展にも大きな影響を与え続け、その思想と実践は今も現代に引き継がれています。

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