及川三千代

及川三千代の略歴と音楽キャリア

及川三千代（おいかわ みちよ）は、1939年3月19日に岩手県胆沢郡金ケ崎町で生まれました。もともとの本名は及川ウメ子であり、彼女が音楽の道を志すきっかけとなったのは、高校卒業後に民謡保存協会での指導を受けたことでした。取得したスキルを生かし、全国民謡大会に参加した際に注目を浴び、1956年にテイチクレコードの専属となり音楽活動を本格化させます。

初めは本名で活動していましたが、1958年に及川三千代に改名。この名前での活動が本格的にスタートしました。1959年には日本グラモフォン（ポリドール・レーベル）に移籍し、音楽キャリアが一段と広がります。

音楽活動のハイライト

メディアへの露出が増え、1962年12月31日には第13回NHK紅白歌合戦に初めて出場し、「愛と死のかたみ」を披露しました。この曲は、後に彼女の代表作の一つとなります。紅白での歌唱中の写真や記録が残っており、彼女の印象的な舞台姿が脳裏に焼き付いています。

1964年にリリースした「夕日の波止場」は大ヒットし、及川の音楽活動の中でも特に有名な曲となりました。この他にも「かえり船」「かえりの港」、そして「別れの波止場」など、数多くの名曲をカバーし続け、特に民謡においてその名声を確立しました。

ディスコグラフィと音楽の多様性

及川三千代の音楽活動は、1956年から数十年にわたるもので、数多くのシングルやアルバムを発表しました。最初のシングルは「（東北民謡）外山節」で、続いて多くの民謡を録音。テイチク時代の音源には数えきれないほどの作品が存在し、各地域の民謡を取り入れた作品群が含まれています。

ポリドールに移籍した後も様々な情感を込めた楽曲をリリースし、民謡だけでなく流行の歌謡曲や、映画の挿入歌にも挑戦しました。「お嫁に行くなら好きな人」や「早くお嫁に行きたいなあ」など、世代を超えて愛される楽曲を数多く残しています。

最後の時

及川三千代は、2014年4月5日に心筋梗塞により75歳で亡くなりました。音楽界における彼女の貢献は、民謡を広める役割とともに、多くの人々に感動を与えるものでした。彼女の音楽は今もなお多くのファンに聴かれ、愛されているのです。行き交う音楽の中に、彼女の歌声が色濃く残る限り、及川三千代の存在は永遠に息づいています。

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