第13回NHK紅白歌合戦

第13回NHK紅白歌合戦の詳細

1962年12月31日、東京の宝塚劇場で開催された第13回NHK紅白歌合戦は、テレビとラジオの両方で生中継されました。そして、21時から23時45分までの放送時間に変更され、放送枠がさらに拡大されたことが特徴です。これは1988年の第39回まで続くこととなりました。

司会者と出演者

この回の司会者は紅組が女優の森光子、白組がNHKアナウンサーの宮田輝が担当しました。森は前年の『放浪記』で注目を集め、初めて紅組司会としての役割を果たしました。一方、白組の宮田は復帰しての参加です。また、主催を務める総合司会には石井鐘三郎が登場し、2年ぶりの復帰を果たしました。

これまでの司会を担っていた中村メイコと高橋圭三は、この回で交代しました。中村は家族の予定により、次回からの司会を辞退しました。

出場歌手と選考

出場歌手も注目のポイントです。初出場や復帰を果たした歌手が多く、特に紅組では淡谷のり子や神楽坂浮子などの不選出が目立ちました。白組では伊藤久男や水原弘が選ばれず、歌手たちの出場は年々厳しい競争となりました。

演奏は白組がNHKオール・スターズ（指揮：奥田宗宏）、紅組はスター・ダスターズ（指揮：渡辺弘）によって行われ、東京放送管弦楽団と東京放送合唱団も参加しました。

審査員も多彩

審査員には、その道のプロフェッショナルがずらりと揃いました。NHK芸能局長の長澤泰治をはじめ、洋画家の東郷青児、ファッションデザイナーの森英恵、大相撲の大関・佐田の山晋松など、さまざまな分野の著名人たちが集結し、真剣に結果を見守りました。

番組のハイライトと演出

番組の目玉として初登場したのはダニー飯田とパラダイス・キング。注目されましたが、当時のルールによりボーカルの九重佑三子は出演できませんでした。さらに橋幸夫と吉永小百合が歌うことを予定していたデュエットは、事前に認められず、橋がソロで歌う形となりました。これは当時の男女混合のルールが影響した結果でした。

また、紅白歌合戦では美空ひばりの歌唱も重要な瞬間でした。彼女の歌声は当時のラジオ中継で紹介され、有名な今回の中継音声として史上初めて残されています。しかしながら、テレビ映像はほとんど現存していないことが残念です。これはその頃の保存技術上の制約によるものでした。

視聴率の記録

この回の視聴率は、ビデオリサーチによる調査で衝撃の80.4%を記録しました。これは紅白歌合戦に新たな人気をもたらし、以降の年々の放送への期待感を高めました。

今後の展開

翌年の第14回では森光子が紅組司会を続投する予定でしたが、スケジュールの都合で交代となり、江利チエミがその役割を引き継ぎました。森が再び紅組司会を務めるのは、1978年の第29回まで待たなければなりませんでした。

以上のように、第13回NHK紅白歌合戦は、多くの著名人とエンタテインメント的要素が融合し、視聴者に強い印象を与えた特別なイベントとして記憶されています。

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