及川奥郎

及川奥郎の生涯と業績

及川奥郎（おいかわ おくろう、1896年1月1日 - 1970年12月27日）は、日本の著名な天文学者であり、特に第二次世界大戦前における小惑星の発見で知られています。彼は岩手県盛岡市で生まれ、学問的な基盤を築く中で、天文学の発展に寄与しました。及川奥郎は、彼の兄である及川古志郎が海軍大将という背景を持ちながらも、独自の道を歩みました。

学問の道への第一歩

及川は岩手県立盛岡中学校を卒業後、1920年に東京帝国大学理学部の天文学科を修了しました。彼の研究歩みは、1922年から東京天文台で技手として勤務し始めたことに始まります。この頃、東京天文台は麻布区板倉から北多摩郡の三鷹村大澤に移転を進めており、及川はその移転に伴う経度差の測定にも従事しました。

小惑星発見の業績

及川の[天文学]]への貢献として、特に重要なのは彼が発見した複数の小惑星です。1927年から1929年の間に、彼は共同発見を含む8つの小惑星の発見を成し遂げました。これらの発見は、ブラッシャー社製の20センチ天体写真儀を用いて行われ、これにより彼は天文学界での名声を確立しました。1930年には彼の功績が認められ、第20回帝国学士院賞の東宮御成婚記念賞を受賞しました。彼の名にちなんだメインベルトの[[小惑星] Oikawaも彼の業績を称える形で命名されました。

日本への日食観測の貢献

さらに、及川は1932年にはアメリカ・メイン州で平山清次氏や野附誠夫氏とともに皆既日食の観測を行いました。この観測は、天文学の国際的な交流を深める一助となりました。同年に及川が観測した皆既日食は、その後の天文学的研究や教育の発展に向けた貴重な経験となりました。

晩年と家族

1950年、及川は東京天文台を定年退官し、その後は教育や研究から少し距離を置きました。1970年、74歳で彼はこの世を去りました。 彼の家族もまた興味深い背景を持ちます。父は医師、母は大島高任の長女であり、兄の及川古志郎は海軍大将でした。妹の山口イソは著名な書家・山口青邨の妻となり、家族全体が優れた才能に恵まれていることが伺えます。

及川には2人の妻がおり、子供も一人いました。息子の及川郁郎は作家として活動し、東京天文台官舎で生まれましたが、医学の道を早々に断念し、様々な職業を経験した後は無職生活を送っています。

まとめ

及川奥郎の人生は、天文学における彼の功績を通じて、多くの人々に影響を与えました。彼の発見した小惑星や観測した日食は、今なお天文学史に残る重要なイベントであり、彼の名前は天文学界において長く記憶されることでしょう。

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