友好商社

友好商社の歴史と機能

友好商社（ゆうこうしょうしゃ）とは、1960年に日中貿易が再開された際に、中国側から貿易の取り引き相手候補として指定された日本の商社群を指します。この商社が設立された背景には、1958年5月2日に発生した長崎国旗事件が大きく影響しています。この事件は日本と中国の間の貿易関係を一時的に中断させ、両国の関係悪化をもたらしました。

長崎国旗事件と貿易の中断

長崎国旗事件は、外国旗の下での中国の国旗に対する認識や扱いを巡るトラブルであり、この出来事以降、中国の陳毅副首相は日本との貿易を中止すると正式に声明を出しました。これにより両国間の貿易は停滞し、長期的に影響を及ぼすこととなりました。
しかしながら、国際貿易促進協会などの関係団体が中国側に働きかけた結果、中断されていた貿易が再び再開される見通しが立ちました。

友好商社の指定と取引の再開

1960年12月、中国側は貿易相手として選定した日本の商社を友好商社として指定しました。これは主に、日本側の貿易会社の中から中国側からの信任を受けた企業のみが取引の対象となるという形を取っていました。その後も新たに指定される商社がありましたが、特に文化大革命が始まった1966年以降、日本共産党に近い企業は友好商社としての指定が取り消され、結果として多くの企業が倒産や解散の憂き目に遭いました。

友好商社取引のプロセス

この期間、中国との貿易は基本的に中国側の対外貿易部（省）の傘下にある専門商社と、日本の友好商社との間で進められました。商談は通常、計画経済に基づいて調整され、必要な輸入品を中央政府が選定し、計画を立てた上で商談が行われる仕組みでした。一般的には、広東省広州で年に二回開催される広州交易会にて、商社の従業員が中国に出向き、貿易会社との商談を行いました。

批判と商社の多様性

友好商社には、中国政府や紅衛兵の意向を強く反映するような業者もあれば、日本共産党に対抗する立場にある商社も存在しました。これにより、「中国の言いなり」との批判が生じ、「土下座貿易」と揶揄されることもありました。たいていの大手商社は友好商社としての指定を受けられなかったため、表向きには友好商社とメーカー間の仲介役を担うことが主でした。
その中には、時としてダミー会社を設立して、貿易を行う企業もあったという報告も存在します。

結論

友好商社は日中両国の経済交流において、特別な役割を果たしてきました。商社の活動は中国との貿易がどのように行われていたのか、またその背後に存在した政治的背景を理解する上でも重要な要素です。中国経済との関係が深化していく中で、友好商社の役割を再考する必要があると言えるでしょう。

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