友末洋治

友末洋治：茨城県発展に貢献した知事と合気道の縁

友末洋治（ともすえ ようじ、1900年7月5日-1988年10月23日）は、日本の政治家であり、茨城県の発展に多大な貢献をした人物として知られています。広島県世羅郡に生まれた友末は、広島県師範学校卒業後、内務省の職員となりました。高等文官試験に合格して内務省土木局に入り、その後、警察局長や東京都防衛局長などを歴任しました。

1945年、戦時下の日本で官選茨城県知事に就任。戦後、1947年の公選知事選挙で当選を果たし、以後3期12年にわたって茨城県知事を務めました。 民選知事としての実績は目覚ましく、県政において様々な改革を推進しました。

特に、在任中の取り組みとして注目されるのは、町村合併の推進です。複数の町村を合併させることで、行政の効率化や地域活性化を目指しました。これは、現代の地方行政においても重要な課題であり、友末の取り組みは先駆的なものと言えるでしょう。 また、東海村への原子力発電所の誘致も大きな功績の一つです。 これは、茨城県の経済発展に大きく寄与する一方、環境問題への配慮も欠かせない複雑な課題でした。友末は、これらの課題を慎重に検討し、将来を見据えた判断をしたと考えられます。

教育面への貢献も忘れてはなりません。北条町立北条中学校（現在のつくば市立筑波東中学校）の開校式に出席した際に、高校設立の必要性を訴え、茨城県立筑波高等学校の開校に繋がりました。これは、地域住民の教育への期待に応えるとともに、将来世代育成への投資と言えるでしょう。

4選を目指した選挙では惜しくも敗れ、知事職を退任。その後は、大洗町ゴルフ場の水戸カンツリークラブ社長に就任しました。

私生活では、1988年10月23日、88歳で脳血栓のため逝去しました。 前日には妻のマサコさんが同じ病院で亡くなっているという悲しい出来事がありました。 翌月には従三位が追贈されました。

政治家としての活動と並行して、友末は合気道にも深い関わりを持っていました。1934年頃、大阪府警察部刑事課長時代に、同警察部長・富田健治の紹介で合気道創始者である植芝盛平に入門。熱心に合気道を学び、その技術を習得しました。

1940年には、「皇武会」（後の合気会）の財団法人認可に、厚生省体力局体育課長として尽力しました。 合気道の発展に貢献した功績は、合気道二代目道主である植芝吉祥丸からも高く評価されており、「合気道の恩人の一人として記憶すべき」と述べられています。

友末洋治は、茨城県知事としての政治活動、そして合気道への情熱という二つの側面を持つ人物でした。 彼の功績は、茨城県の発展に大きく寄与しただけでなく、日本の武道界にも影響を与えたと言えるでしょう。彼の生涯は、時代の変遷の中で、政治家として、そして武道家として、信念を貫き通した、波乱に満ちた人生だったと言えるのではないでしょうか。

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