友永和秀

アニメーション界の巨匠：友永和秀氏の軌跡

友永和秀氏は、1952年生まれの日本のアニメーター、アニメ演出家、そして監督です。福岡県出身で、タイガープロダクション、オープロダクション、テレコム・アニメーションフィルムを経て現在はフリーランスとして活躍されています。日本アニメーター演出協会（JAniCA）会員でもあります。

輝かしいキャリア：数々の名作への貢献

高校卒業後、大阪で短期間のサラリーマン生活を送ったのち上京。1971年にタイガープロダクションに入社し、1972年の『デビルマン』で原画デビューを飾ります。『ゲッターロボ』や『宇宙戦艦ヤマト』といった初期の代表作に参加し、着実にキャリアを積んでいきました。

その後、さらなる成長を求め、1975年にオープロダクションへ移籍。東映動画制作のロボットアニメを中心に活躍した後、『ルパン三世』シリーズ、『未来少年コナン』、『銀河鉄道999』など、数々の名作に携わり、アクション、メカ、エフェクト、戦闘シーンなどでその才能を発揮しました。

1979年にはテレコム・アニメーションフィルムへ出向し、後に同社に移籍。『ルパン三世 カリオストロの城|ルパン三世_カリオストロの城』の制作にも参加、名高いカーチェイスシーンの原画を担当しました。その後は『名探偵ホームズ』、『NEMO/ニモ』といった海外合作作品にも取り組み、日本のアニメーションの国際的な展開に貢献しました。2014年にテレコムの取締役を退任後も、フリーランスとして活動を継続、2016年には第25回日本映画批評家大賞・アニメ部門功労賞を受賞するなど、その功績は高く評価されています。

『ルパン三世 カリオストロの城|ルパン三世_カリオストロの城』カーチェイスシーン：アニメ史に残る名場面

友永氏の代表作の一つとして挙げられるのが、『ルパン三世 カリオストロの城|ルパン三世_カリオストロの城』の冒頭シーンにおけるカーチェイスです。当初は車に精通した青木悠三氏が担当予定でしたが、最終的に友永氏が担当することとなりました。自動車免許を持たず、車の作画経験もなかった友永氏は、宮崎駿氏からラフな原画、大塚康生氏から車の構造に関する指導を受けながら、この印象的なシーンを完成させました。特にルパンがクラッチを操作する動きは、大塚氏による後からの追加とのことです。宮崎氏の緻密な画面構成と、友永氏の躍動感あふれる原画、そして大塚氏の的確な修正が三位一体となって生み出されたこのシーンは、アニメ史における名場面として広く知られています。

巨匠との交流と才能：独自の作風

宮崎駿氏や大塚康生氏との交流は、『未来少年コナン』から始まりました。友永氏は、彼らの仕事に以前から注目しており、自ら参加を希望したとのこと。その後、大塚康生氏に誘われ、テレコムへの移籍を決意しました。また、『名探偵ホームズ』では近藤喜文氏と共に企画立ち上げから関わり、初期の制作にも携わっています。

友永氏の作画の特徴は、天性のタイミングの良さです。感覚的に描いているにもかかわらず、アニメーション特有の誇張表現の中でも、物体の重量感や慣性の法則を意識した、リアリティのある動きを表現することに成功しています。この点において、過去の映画やアメリカのアニメ『トムとジェリー』からの影響を公言しており、特に『トムとジェリー』のマンガっぽさと現実味を併せ持つ動きに強い影響を受けているそうです。

アニメーション界への貢献と未来

友永氏は、アクションシーンを得意とするアニメーターとして知られ、その高い技術とセンスは、多くのアニメーション作品に息づいています。『宇宙戦艦ヤマト』、『銀河鉄道999』などにおけるメカ作画、そして『ルパン三世』シリーズにおける総監督としての仕事など、その活躍は多岐に渡ります。

数々の名作に携わり、多くのアニメーターに影響を与えた友永和秀氏の今後の活動にも期待が高まります。

参加作品リスト（抜粋）

上記本文中に記載されている参加作品以外にも、数多くのテレビアニメ、劇場アニメ、OVA作品に参加されています。詳細なリストは、本記事冒頭の情報をご参照ください。

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