受信料

受信料について

受信料とは、受信契約に基づいて放送を受信している世帯が、その放送事業者に対して支払う料金を指します。一般的には公共放送がこの制度を採用していることが多く、他の言語では「テレビライセンス」や「テレビ税」とも呼ばれています。

日本における受信料制度

日本では、公共放送を行う日本放送協会（NHK）が受信料制度を導入しています。テレビ放送を受け取るために必要な受像機を所有している世帯は、放送法に従い、NHKと契約を結ぶ必要があり、その契約に基づいて受信料を支払います。過去にはラジオの受信料制度も存在しましたが、現在では廃止されています。また、民間の有料放送を提供する衛星放送プラットフォームや有線一般放送（ケーブルテレビなど）は、通常「利用料金」として扱われ、受信料とは区別されています。

外国における受信料制度

様々な国々では、公共放送の資金確保のために受信料制度が導入されています。これには、日本のNHKのほか、イギリスのBBCやスウェーデンのSVT、ノルウェー、フィンランド、スイスなどの放送局が含まれます。特にスイスでは公共放送であるスイス放送協会が受信料を徴収しており、一般家庭では年間約450スイスフランが必要です。2018年には受信料制度の存続に関する住民投票が行われましたが、その結果、制度は維持されることになりました。

一方で、韓国の放送公社（KBS）やドイツの公共放送団体（ARD、ZDF）、フランス、イタリアなどの国々では、受信料に加えて広告収入も放送事業に活用されています。さらに、公共放送が受信料制度を採用していない国も存在し、スペインや台湾、ニュージーランドなどは交付金や広告料によって運営されています。

イギリスのBBCの場合

イギリスにおけるBBCの制度は、郵便局で年間有効の受信許可証を購入する形を取っています。現在の受信料は年間154.50ポンド（約2万円）で、未払いがあった場合には最大で1000ポンドの罰金が課されることになります。2019年には、ボリス・ジョンソン首相が受信料制度の廃止を示唆し、新しい課金ベースの制度への移行を検討したこともありました。

韓国での受信料の変遷

大韓民国においては、受信料が1994年から2023年まで韓国電力公社の電気料金に組み込まれていました。このため、未払いの問題はほとんど存在せず、受信料は概ね2500ウォンで推移しています。受信料の内訳は、KBSが91%、韓国教育放送公社（EBS）が3%、残りの6%が委託手数料となっています。しかし、2023年7月から受信料の徴収が電気料金から分離されることが決定され、関連する法改正が行われました。この変更にKBSは反発し、憲法裁判所に提訴を行っています。

以上のように、受信料制度は国によってさまざまな形で実施されており、その背景には各国の文化や歴史が深く関わっています。特に公共放送の資金源として、受信料は重要な役割を果たしています。

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