受難者

映画『受難者』の概要



『受難者』（じゅなんしゃ、英題：The Garden of Allah）は、1927年に公開されたアメリカのサイレント恋愛映画です。この作品は、レックス・イングラムが監督を務め、メトロ・ゴールドウィン・メイヤーによって制作されました。イングラムはこの映画を最後に、その会社での活動を締めくくりました。主演には、彼の妻であるアリス・テリーと、イヴァン・ペトロヴィッチが名を連ねています。この映画は、イギリスの作家ロバート・ヒチェンスの小説『The Garden of Allah』を基にしたものであり、映画化はこれが二作目となります。実は、すでに1916年に別の制作会社によって映画化されており、さらにその後1936年にはマレーネ・ディートリヒとシャルル・ボワイエが主演するバージョンも登場します。

本作そのものは、その後不完全なプリントがあるものの、メトロ・ゴールドウィン・メイヤーとユナイテッド・アーティスツのフィルム・アーカイブに保存されています。

あらすじ



『受難者』の物語は、アドリアン神父（演：イヴァン・ペトロヴィッチ）が主な主人公です。彼はアルジェリアのトラピスト会が運営するノートル・ダム・ダフリク修道院で修道士としての生活を送っていますが、その穏やかな日々を離れ、誓いを破る形で砂漠へ逃げ出してしまいます。砂漠での生活は、彼にとって新たな運命との出会いを促します。

そこで彼はドミニ（演：アリス・テリー）という女性と出会い、彼女を助けることになります。彼女との出会いは、悲しみや喜び、葛藤を通じて二人の心を通わせる絆を深めていきます。この交流を通じて、アドリアン神父は自らの信仰、運命、愛について一つ一つ向き合う形で物語は進行します。

キャスト



  • - アリス・テリー - ドミニ・エンフィルデン (Domini Enfilden)
  • - イヴァン・ペトロヴィッチ - アドリアン神父 (Father Adrien)
  • - マルセル・ヴィベール - アンテオニ伯爵 (Count Anteoni)
  • - ハンバーストン・ライト - レンス卿 (Lord Rens)
  • - マダム・パクレット - スザンヌ (Suzanne)
  • - ジェラルド・フィールディング - バトー (Batouch)
  • - アルマン・デュテルトル - ベニ＝モラの神父 (The Priest of Beni-Mora)
  • - マイケル・パウエル - 旅行者 (A Tourist)

制作背景



『受難者』はフランスのニースにあるスタジオで撮影され、特に砂漠のシーンは、アルジェリアのビスクラとモロッコで撮影されました。これが映画にリアルな視覚体験を提供し、物語の舞台設定を一層引き立てています。

音楽と関連項目



映画の主題歌「アラビヤの唄」は、米国ではヒットしなかったものの、日本では日本語の歌詞が付けられ、人気を博しました。

この映画に興味がある方は、以下のリンクからさらに詳しい情報を得ることができます。

『受難者』は、愛と信仰に揺れる人間ドラマを描いた、視覚的にも感情的にも印象深い作品であり、時間を超えて観客に影響を与え続けている映画のひとつです。

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