古墳GALのコフィー

『古墳ギャルのコフィー』

『古墳ギャルのコフィー』（こふんギャルのコフィー）は、有限会社蛙男商会が制作した独特のフラッシュアニメーション作品です。最初に公開されたのは2005年5月で、公式サイト「kaeruotoko.com」で第1話がお披露目された後、ネット上で全10話が配信されました。主人公のコフィーは、FROGMAN氏がフラッシュアニメ制作を始めるより以前に、ウェブサイトに掲載していたコラムで誕生したキャラクターでした。

この作品は単発に終わらずシリーズ化され、これまでにウェブ版に加え、複数のテレビシリーズや劇場版が制作されています。

制作の特色

他の蛙男商会作品と同様、『古墳ギャルのコフィー』の初期エピソードは、脚本、演出、監督、作画といった制作のほぼ全てをクリエイターであるFROGMAN氏一人が手掛けていました。近年制作されたシリーズでは、一部の文芸や作画などのパートで協力者が参加することもあります。声優についても、多くのキャラクターの声をFROGMAN氏自身が担当していますが、主人公コフィーやライバルであるドロシー以外の女性キャラクターの多くは、女性声優が担当しています。テレビ版第1シリーズでは、フルヤマヨウヘイ氏や小室亜沙氏といった外部の声優も参加しています。

シリーズの展開

『古墳ギャルのコフィー』シリーズは、以下のように様々なメディアで展開されました。

ウェブ版：2005年にCMサイトで配信され、2週間に1話のペースで計10話が公開されました。
テレビシリーズ第1期：2006年4月から6月にかけて、テレビ朝日系列のオムニバステレビアニメ番組『THE FROGMAN SHOW』内で、『古墳ギャルのCoffy』というタイトルで放送されました。これは『秘密結社鷹の爪』と同時放映される形となり、ネット版を基にしつつも、テレビ放映に合わせて内容に若干の変更が加えられています。
テレビシリーズ第2期：2009年10月からは、テレビ朝日系列のテレビアニメ番組『秘密結社鷹の爪 カウントダウン』の枠内にて、『古墳ギャルのコフィー キャンパスライフ』として放送が開始されました。この第2期からは、主人公コフィー役の声優が、諸事情によりホンマキョウコ氏からプロの声優である相沢舞氏へと変更されています。
劇場版：これまでに3本の劇場版が制作されており、いずれも『秘密結社鷹の爪』の劇場版と同時上映されています。
2007年3月：『古墳ギャルのCoffy 〜桶狭間の戦い〜』
2008年5月：『古墳ギャルのCoffy〜12人と怒れる古墳たち〜』
2010年1月：『古墳ギャルのCoffy〜コフンデレラ〜』

あらすじと独特の世界観

物語の舞台は、古墳や墳丘墓たちが人間のように暮らす、少し奇妙な学園や大学です。作品は、主人公である前方後円墳の女子高生（後に大学生となる）コフィーと、彼女を取り巻く個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるシュールでコミカルな日常を描いたコメディです。古墳たちは現代社会に適応しており、学校に通ったり、アルバイトをしたり、恋愛や人間関係に悩んだりしながら物語が進んでいきます。

主な登場キャラクター

この作品には、バラエティ豊かな古墳や墳丘墓などが登場します。

コフィー：本作の主人公。元気な前方後円墳ギャルです。第1期では高校生、第2期では大学生として登場します。当初は普通の女の子らしい古墳でしたが、シリーズが進むにつれて暴言が増え、特に幼馴染のダニエルに対して厳しい態度をとることが多くなります。怒ると周囲を手当たり次第に破壊する一面も。
ダニエル：コフィーの幼馴染で、四隅突出型墳丘墓。作品で最も不運なキャラクターとして描かれ、他の古墳たち（特に女性陣）やコフィーのペットの上田にいじめられたり、トラブルに巻き込まれたりします。大学受験に失敗し、浪人生として生協でアルバイトをしています。気が弱いことにコンプレックスを抱えていますが、不思議なタフさを持っています。コフィーに対して淡い好意を抱いているようです。
ニントク：コフィーが憧れている前方後円墳。背が高く、容姿も良く、家柄も良い人気者で、古墳界の王位継承者。第2期ではコフィーの恋人となります。時折、他人を見下すような発言をすることがあります。シリーズ中、一時的に「チャールズ」という名前で呼ばれたこともあります。
ドロシー：コフィーのライバルである前方後方墳。ニントクを巡ってコフィーに対抗意識を燃やし、特にダニエルをいじめるのが常です。口調や性格が悪く描かれていますが、第2期ではパーマのかかった髪が生えています。
桶狭間先生：コフィーたちの高校時代の担任教師で、現在は大学の生協の店長。戦国時代の落ち武者のような外見をしており、興奮すると特定のアイドルの振り付けを踊る癖があります。ダニエルをアルバイトとして雇っています。
コフィーの家族：元F1パイロットで頑固ながら娘思いのパパ、元マクラーレンホンダのピットクルーで優しいママ、そして短気なペットの馬形埴輪・上田といった個性的な面々が登場します。彼らも古墳や埴輪ならではの体質や過去のエピソードを持っています。
阿武隈ブヴァエモン：悪徳建設会社の社長。シリーズを通して、ダニエルの土地に違法な建設を企むなど、様々な悪事を働きます。劇場版を含む多くのシリーズに登場する、ある意味ではお馴染みの悪役です。

他にも、古墳高校や大学の生徒、ゲストキャラクターなど、多種多様なキャラクターが登場し、物語に彩りを添えています。

作品を特徴づける要素

中の人：復元された古墳を除き、全ての古墳の中に存在する小さな人間の死体。本来の古墳における被葬者に相当する存在です。古墳にとっては脳や心のような重要な要素であり、別の中の人と入れ替わると性格が変わるなどの現象が起きます。古墳たちは、中の人を他人に見られるのを恥ずかしいと思っています。
小さい人、古墳ビルダー：身長約30cmの人間たちで、古墳ビルダーは新たな古墳を建造する存在です。近年は若い古墳ビルダーの減少や高齢化といった「少古墳化」が問題とされており、気性が荒い職人気質として描かれています。

補足

FROGMAN氏は当初、主人公コフィーの声を自分で演じようと考えていたそうですが、うまくいかず、初期はホンマキョウコ氏が担当しました。後にOVA版で自分でコフィーの声を担当する機会を得ています。また、過去にはダニエルを主人公としたスピンオフ作品「墳丘墓サラリーマン ダニエル」もウェブ上で公開されていました。

この作品のシュールな設定と個性的なキャラクターたちは、多くのファンを惹きつけ、蛙男商会の代表作の一つとなっています。

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