古川 (西条市)

古川（ふるかわ）

愛媛県西条市に位置する古川は、かつて新居郡に属していた古川村の領域に相当します。この地は、加茂川の水運を利用した舟着き場があり、物資の集積地として「土場」とも呼ばれていました。

地理

古川は加茂川の下流域に位置しており、かつては燧灘に面していました。しかし、太平洋戦争後に沿岸部が干拓され、現在では大字港となっています。この干拓によって、海岸線は大きく変化しました。

歴史

古川の歴史は、行政区画の変遷とともに語ることができます。

1889年（明治22年）12月15日: 町村制の施行に伴い、古川村は神拝村、喜多川村、樋之口村、そして新田村の一部と合併し、新居郡神拝村となりました。この時、旧古川村域は神拝村の大字古川となりました。
1925年（大正14年）2月11日: 神拝村は、西条町、玉津村、大町村と合併し、新たに新居郡西条町となりました。これにより、神拝村大字古川は西条町大字古川となりました。
1941年（昭和16年）4月24日: 西条町は飯岡村、神戸村、橘村、氷見町と合併し、西条市となりました。この合併により、西条町大字古川は西条市大字古川として現在に至ります。

このように、古川は幾度かの行政区画の変更を経て、現在の西条市の一部となりました。

産業

古川は、歴史的に様々な産業が盛んでした。

青海苔: 地域の特産品として青海苔の生産が行われていました。
材木運搬: 加茂川を利用した水運は、材木の運搬にも重要な役割を果たしていました。
農業: 地域では農業も営まれていました。
漁業: かつて燧灘に面していたことから、漁業も行われていました。

祭事

古川地区では、伝統的な祭事が受け継がれています。

伊曾乃祭: 江戸時代天保年間に作成されたとされる『伊曾乃祭礼細見図』には、土場としてだんじりが奉納されている様子が描かれています。この地域のだんじりは、新調などを経ながら現在まで連綿と受け継がれており、西条祭りでは古川地区から古川、御所通、砂盛、富士見町と4台のだんじりが奉納されます。一部地域を含めると八丁、川沿町も加わり、さらに多くのだんじりが祭りを盛り上げます。

脚注

1. 愛媛県」『郵便番号簿』（PDF） 2022年度版、日本郵便、2022年11月、304–308頁。 2023年4月3日閲覧。

参考文献

栗本諒二 編『新居郡案内』1913年11月。NDLJP:947939。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 38巻《愛媛県》、角川書店、1981年10月。全国書誌番号:81044948。

外部リンク

* 伊曾乃祭礼細見図 - 東京国立博物館

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