古川晴男

古川晴男：昆虫への情熱を子供たちへ伝えた昆虫学者

古川晴男（1907年2月9日 - 1988年8月8日）は、日本の著名な昆虫学者であり、東京学芸大学の名誉教授を務めました。彼の業績は多岐にわたりますが、特に『ファーブル昆虫記』の子供向け翻訳は、多くの子供たちに昆虫への興味を抱かせ、現代日本においても長く愛されています。

生涯

古川晴男は東京府で生まれ、松本高等学校理科乙類を経て、1931年に東京帝国大学理学部動物学科を卒業しました。卒業後は小石川植物園に勤務し、1941年には理学博士の学位を取得しました。その後、東京学芸大学の教授となり、1971年に定年退官、名誉教授となりました。没後、その功績を称えられ正四位が贈られました。

業績

古川晴男の業績は、昆虫学の研究に留まらず、その知識を子供たちに伝えることに情熱を注いだ点にあります。

『ファーブル昆虫記』の翻訳

彼の最も著名な業績は、『ファーブル昆虫記』の子供向け翻訳です。難解な内容を子供にも理解しやすい言葉で表現し、昆虫の世界の面白さを伝えました。この翻訳は、多くの子供たちにとって昆虫学への入門書となり、科学への興味を育むきっかけとなりました。

著書

古川晴男は、数多くの著書を通じて、昆虫の生態や観察方法を紹介しました。これらの著書は、子供たちだけでなく、一般の人々にも昆虫への理解を深める上で貴重な資料となっています。

• - 『虫ノイロイロ』
• - 『私の昆虫記』
• - 『アリの生活』
• - 『昆虫の国巡礼』
• - 『こん虫の世界 こん虫とその形』
• - 『みんなでやろうこん虫採集』
• - 『蟻の結婚』
• - 『虫の生活』
• - 『こん虫採集ノート』
• - 『ファーブル』
• - 『私たちのクラブ活動 3 理科』
• - 『子供の昆虫学』
• - 『虫の国・虫の生活』
• - 『りかあそび』
• - 『アリの国ものがたり』
• - 『生きものの冬ごし』
• - 『生命のかがやき』
• - 『ちからのつく生物』
• - 『ファーブル』
• - 『動物のいとなみ その生態と習性の本質』
• - 『昆虫の生態』
• - 『昆虫の採集と観察』
• - 『虫の歳時記』
• - 『つかまえようそだてよう昆虫大作戦』

共編著・翻訳

古川晴男は、他の研究者との共同研究や、海外の文献の翻訳にも積極的に取り組みました。これらの活動を通じて、昆虫学の知識を広め、国際的な交流にも貢献しました。

• - 『南の動物』(高島春雄共著)
• - 『昆虫』(編)
• - 『動物実習30題』(編)
• - 『昆虫の図鑑』(中山周平共著)
• - 『ちからのつくりか』(編)
• - 『おかしとくだもの』(野口弥吉共著)
• - 『少年少女動物図解百科 とりかたとかいかた』(編)
• - 『ちからのつく理科』(編)
• - 『はるのおがわ』(古川千鶴子共著)
• - 『日本昆虫記』(岩田久二雄、安松京三共編)
• - 『ぼくらの理科しらべ方事典』(田沢与光共著)
• - 『昆虫と植物』(矢島稔共著)
• - 『原色昆虫百科図鑑』(長谷川仁、奥谷禎一共編)
• - ファーブル『昆虫記』(訳編)
• - ウォーレス『極楽鳥の島々 マライ群島』(翻訳)
• - 『少年少女ファーブル昆虫記』(翻訳)
• - グイン・ビーバーズ『ありとしろあり』(翻訳)

古川晴男の功績

古川晴男は、昆虫学の研究者としてだけでなく、教育者としても大きな足跡を残しました。彼の『ファーブル昆虫記』の翻訳は、世代を超えて読み継がれ、多くの人々に昆虫への興味と知識を与え続けています。また、数多くの著書や共編著を通じて、昆虫学の普及に貢献しました。古川晴男の功績は、日本の昆虫学の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

もう一度検索