古森重隆

古森重隆

古森 重隆（こもり しげたか、1939年9月5日 - ）は、日本の実業家であり、元日本放送協会（NHK）経営委員会委員長です。2016年9月からは内閣府規制改革推進会議委員も務めています。

経歴

長崎県出身で、長崎県立長崎西高等学校を経て東京大学経済学部を卒業しました。東京大学時代は、アメリカンフットボール部に所属し、ポジションはOL/DLでした。

1963年に富士写真フイルム（現富士フイルム）に入社し、主に営業部門でキャリアを積みました。1995年には取締役営業第二本部長、1996年にはフジフイルムヨーロッパ社長などを歴任し、2000年に社長に就任しました。2003年からは日独協会の会長も務めています。2006年のグループ再編に伴い、富士フイルムホールディングス株式会社と、傘下の富士フイルム株式会社の代表取締役社長・CEOに就任しました。2012年には両社の代表取締役会長・CEOに就任しています。2009年に旭日重光章を受章、2013年には毎日経済人賞を受賞しました。また、2009年から2013年にかけて、高額な役員報酬を受け取っていたことも報じられています。

古森は、2004年に写真フィルム事業からの事実上の撤退を決定し、その一方で、フィルム技術を応用した化粧品、医薬品、医療機器、液晶用フィルムなど、多角的な事業展開を推進しました。大規模な人員整理も行い、会社の業績を立て直すことに成功しました。

NHK経営委員長

2007年6月、NHK経営委員に任命され、委員の互選により委員長に選出されました。この人事は、当時の首相・安倍晋三の強い意向によるものとされています。

同年10月、経営委員会は、当時の執行部が作成した5ヵ年経営計画に対して、「抜本的な改革」を求め、計画を承認せずに再提案を要求しました。また、新会長として福地茂雄の起用を提案し、新たな執行部体制を構築しました。

2008年3月には、国際放送に関して「利害が対立する問題については日本の国益を主張すべきだ」と発言し、国際放送の強化だけでなく、より積極的な姿勢を求めました。

古森の経営委員会での活動や発言は、強権的・政治的であるとの批判も受けました。日本ジャーナリスト会議は、2008年5月12日に古森の委員長辞任を要求する声明を発表しました。また、市民団体も、当時の首相・福田康夫に古森の委員長罷免を要求する文書を送付するなど、批判的な動きがありました。2008年11月16日には、麻生内閣の首相・麻生太郎に、古森の再任に反対する申し入れ書が送付されました。

2008年11月11日の会見で、古森は「私としてやれることは大体やれた」と発言し、その後、委員長の任期満了とともに経営委員自体も退任しました。古森の任期は、前任者の不祥事による退任に伴う残り期間でした。

テレビ出演

日経スペシャル カンブリア宮殿 奇跡の構造転換で復活 「攻め」の経営とはこういうことだ！（2012年5月10日、テレビ東京）
日経スペシャル カンブリア宮殿 ピンチをチャンスに変えるSP 〜どんな危機も乗り越える!変幻自在のスゴい企業〜（2020年5月14日、テレビ東京）

書籍

著書

『魂の経営』（2013年11月2日、東洋経済新報社）ISBN 9784492502556
『君は、どう生きるのか 心の持ち方で人生は変えられる』（2014年6月20日、三笠書房）ISBN 9784837925194

外部リンク

NHK経営委員会
退任はしたものの、在任中の記者会見要旨が掲載されています。

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